2020年12月10日(木)
「住居確保給付金」延長
最大1年間に
要件追加は問題
家賃の支払いに困った人に補助する「住居確保給付金」について政府は「最大9カ月」としていた支給期間を最大1年間とすることを決定しました。8日に閣議決定した追加経済対策の一つ。生活困窮者の支援団体らも求めていた内容です。一方で政府は支給要件を新たに加えており、支援団体は撤回を求めています。
住居確保給付金は、休業等により収入が減少し、住居を失うおそれがある人を対象としたもの。コロナ禍でフリーランスや自営業の人も対象となっています。4月から支給を受けた人は今月末で打ち切られる可能性がありました。
政府は今回、10~12カ月目の支給について現行要件に加え、資産の有無(50万円を超えない預貯金)、ハローワークへの求職申し込みなどを加えました。
「国民の住まいを守る全国連絡会」の坂庭国晴代表幹事と「住まいの貧困に取り組むネットワーク」の稲葉剛世話人は9日、連名で談話を発表しました。延長は「私たちの強い要求が実現したもの」だとして歓迎を表明。要件追加については、すでに支給要件がいくつもあり問題だとして撤回を求めています。
同給付金の今年度の給付決定数は9月末までの半年間で約10万4000件です。延長を求めるインターネット署名は約3000人と増え続けています。