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2020年12月7日(月)

売上49%減でも「対象外」

ハードル高い持続化給付金

追加措置・制度改善が必要

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(写真)倉敷民商で持続化給付金の申請を相談する事業者=5月、岡山県倉敷市(倉敷民商提供)

 コロナ禍で事業者の売り上げが落ち込み、行政の支援が命綱になっています。国の持続化給付金を受け取った事業者は一時をしのいだものの、多くが再び資金不足。給付要件が厳しいため対象外の事業者も多く、追加給付とともに制度の改善が求められています。

 日本共産党の田中のぞみ岡山市議は市内のある弁当屋について、「減少率が49・1%で持続化給付金の対象外だった。2割減で給付される市の事業継続支援金はもらえた」と話します。持続化給付金を受けられるのは、売り上げが前年同月比で5割以上減少した中小や小規模事業者、フリーランスなどです。事業者の給付申請を支援する岡山県商工団体連合会(岡商連)の福木実事務局長は「売り上げ減が49・7%でももらえない事業者もあった。5割以上という要件が障害になることが多い」と指摘します。

 持続化給付金の申請に開業届や法人番号が求められることも、不支給となる事業者が続出する要因になっています。建設業のひとり親方は税務署への開業届の提出は必ずしも必要ではありません。東京土建多摩西部支部は「ひとり親方が事業実態を示すものとして代わりに労災の書類を提出したが、認められなかった」と証言しています。

 岡山市の事業継続支援金は11月で申請受け付けを終了しましたが、「使いやすい」と好評でした。支給額は小規模事業者で上限10万円ですが、添付書類は売り上げを示す書類と通帳、身分証の写しだけ。売り上げ減少幅が20%以上で給付されます。審査は地域の事業実態をよく知る商工会議所や商工会が行っています。

 国の持続化給付金の審査業務はサービスデザイン推進協議会を通して電通、さらに多くの下請け、孫請けに委託されていました(現在はデロイトトーマツに委託)。岡商連の福木事務局長は「窓口の担当者によって対応や給付にかかる時間が異なる」と指摘しています。

 日本共産党は持続化給付金の手続き改善や2次給付を求めると同時に、地域などの実情に応じて支援する制度に国が交付金を出すことを提案しています。田中市議は「使いやすい市の支援制度に国が財源を今後も付けてくれれば助かる」と話しています。


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