2020年12月4日(金)
際限のない市場開放
日英EPA承認案可決 井上氏が批判
参院交防委
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参院外交防衛委員会で3日、日英包括的経済連携協定(日英EPA)の承認案が採決され、自民党、公明党などの賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。
日英EPAは、英国が欧州連合(EU)から離脱すると、日本EU経済連携協定(日欧EPA)が英国に適用されなくなるため、それに代わるものとされています。
日本共産党の井上哲士議員は採決に先立つ質疑で、日英EPAのデジタル貿易規定が個人情報保護より多国籍IT(情報技術)企業の利益を優先するものだと指摘。一方、経済協力開発機構(OECD)を中心に、多国籍IT企業の海外での利益に課税することを目指して交渉が続けられています。井上氏はコロナ禍のもとで「巣ごもり需要」や在宅勤務が広がり、多国籍IT企業が利益を大幅に増やしていることを指摘。デジタル課税の重要性についてただしました。
財務省の武藤功哉国際租税総括官は「来年半ばまでに目指されている合意にむけて、積極的に貢献していきたい」と答弁しました。
反対討論で井上氏は貿易自由化一辺倒が危機に弱い経済社会を作り出したと指摘。承認案がその点に無反省なまま「多国籍企業の利益を優先し、際限のない市場開放を一層推進するもの」だと批判しました。