2020年12月4日(金)
「桜」前夜祭 当初から隠蔽工作
安倍氏側、明細不要 会合費で処理
「赤旗」日曜版が報道
| |
|
安倍晋三後援会主催の「桜を見る会前夜祭」疑惑で安倍氏側が、前夜祭を最初に開催した2013年から補てんを隠蔽(いんぺい)するための工作をおこなっていたことが日曜版編集部の調べで分かりました。日曜版(6日号)ではその舞台裏を追っています。
前夜祭が最初に開かれたのは13年。安倍氏の資金管理団体「晋和会」の政治資金収支報告書によると、同年5月10日、82万9394円を政治活動費の「会合費」として前夜祭の会場となったホテルに支払ったと記載していました。参加者から集めた会費を上回った分を安倍氏側が補てんした金額を記載したもの。自民党関係者は「公職選挙法に抵触する補てんの事実を隠すために、明細が必要ない『会合費』で処理している」と指摘します。
翌14年分からは、収支報告書から“補てん”の記載が消えました。
14年に小渕優子経済産業相(当時)をめぐる政治資金規正法違反事件が起きました。小渕氏の後援会は07年から毎年、群馬県からバスを連ねて東京都の明治座で観劇ツアーを開催。参加者が払う参加費よりも実際の費用の方が高額で、その差額を小渕氏側が補てんしていました。前夜祭と同じ構図です。
自民党関係者は「安倍事務所は、自分たちと同じ構図の小渕さんの事件が起こり、記載そのものをやめたのだろう」と語ります。
メディアは安倍氏周辺の話として、安倍氏からの問い合わせに秘書が補てんの事実を否定したため、安倍氏は補てんの事実を知らなかったと報じています。
安倍氏周辺は、安倍氏から秘書に問い合わせがあった時期について「『共産党からの質問通告があったとき、昨年11月末か12月頭ではないか』と説明」(「毎日」11月25日付)しています。
しかし安倍氏は昨年11月15日、ぶら下がり会見で前夜祭の経緯について自ら説明。「事務所から詳細について今日報告を受けた」として「夕食会の価格設定が安すぎるとの指摘があるが、大多数が当該ホテルの宿泊者である事情などを踏まえ、ホテル側が設定した価格と報告を受けている」などと話しています。
メディアが報じている“秘書が安倍氏にウソの報告をした”という安倍氏周辺の話こそ「ウソ」の疑いがあります。