2020年11月27日(金)
種苗法改定案 参考人の意見陳述(要旨)
種取りは農民の権利
全国愛農会会長 家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン代表 村上真平氏
参院農林水産委員会は26日、種苗法改定案の参考人質疑を行いました。全国愛農会会長で家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン代表の村上真平氏の意見陳述(要旨)を紹介します。
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なぜ農民が種や苗を取ることが禁止されないといけないのでしょうか。人類史で農業が開始されて1万年、すべての農作物は農民が種をとり、苗を育成し続けてきました。大企業が種として使っている物も、全て農民が営々とつないできたのです。
農民は種を作る人でもあります。愛農会は綱領で「農こそ人間生活の根底たることを確信し、天地の化育に賛して、衣食住の生産に精進せん」とうたっています。農業を通じて人間生活の基盤に関わっていることに誇りを持っています。農民は種をとり、良い物を育てながら種や苗を分け与えて、それによって人々を養ってきました。種を作った人は自分の種がいろんな人に使われることに喜びを感じています。
しかし、国会で農民が種を作るなと議論されているのは驚くべきことです。背景に種の遺伝子組み換えや農家への告訴によって巨額の金を稼ぎ、世界的に批判されている大企業の力があるのではないですか。
「小農と農村で働く人々の権利に関する国連宣言」(2018年)など、国連は種苗の権利を徹底し、農民の種を取る権利が奪われることを許していません。同宣言は30年までに持続可能な開発計画(SDGs)を達成するためのステップであり、その達成に欠かせない貧困と飢えの解決のために、世界の自然や地域の文明を守っている第1次産業、とくに家族農業など小さな農業が重要視されています。
世界の流れの中で持続可能な社会づくりの一翼を担うためにみなさんも国会議員になっているはずです。ぜひ私たちの営みを考え、審議してほしいです。