2020年11月27日(金)
「赤旗」に改めて注目 「桜」疑惑再燃
スクープ連発なぜ?
| |
|
安倍晋三前首相側が「桜を見る会」の前夜祭の費用の一部を負担していた疑惑が浮上、安倍氏の国会での虚偽答弁が大問題になっています。そのなかで、「桜を見る会」をめぐる疑惑を最初にスクープ、その後も政権を直撃するスクープを連発する「しんぶん赤旗」が改めて注目されています。
私物化の視点
沖縄タイムス25日付のコラム「大弦小弦」は、「赤旗」日曜版の「桜」スクープについて、「大手メディアは『年中行事だから』と深掘りせず、見過ごした。『政権と対峙(たいじ)する野党の機関紙だから報じた』で片付けてはいけない構造が、そこにある」と指摘。「ポイントは視点をどこに置くかです」という山本豊彦「赤旗」日曜版編集長のコメントも引いて、「赤旗」には、「政権による税金の私物化」ととらえる視点があった、「だからアンテナに引っかかった」と書いています。
日本学術会議の人事介入も「赤旗」のスクープでした。コラム子は、「発端は任命を拒否された教授によるSNSの投稿。全国の記者が誰でも見られる情報だった」が、「(大手紙は)視点の違いで見逃している。『これはおかしい』という市民目線の直感を磨く。私たちにも問われる」と結んでいます。
毎日新聞デジタル版「見る探る」では、「赤旗はなぜ桜を見る会をスクープできたのか 見逃し続けた自戒を込めて、編集長に聞いてみた」と題した、山本編集長へのインタビュー記事が21日付で掲載されました。
「自戒」と決意
政権を握っているから仕方ないと見るか、行政の私物化と見るか、視点が大事―「それによって、見える景色が180度違ってくる」と強調する山本氏の発言を受けて、記者は「春の恒例行事として、無邪気に桜を見る会を報じた身としては耳が痛い。そうした報道が、政権による公金の私物化に加担してきた面は否めないだろう」と自戒しつつ「残された疑惑の解明を粘り強く続けていかねばならない」と決意を語っています。
日曜版29日号には、尾池和夫・元京都大総長が登場し学術会議の任命拒否をきびしく批判しました。第2次安倍政権下では内閣府有識者会議座長をつとめ、学術会議の政府からの独立を重視する報告書をまとめていました。尾池氏はこう語っています。
「任命拒否をいち早く報じた『赤旗』(10月1日付)は見事でした。私はこの問題でまだ、ほかのメディアの記者と会っていません。でも、『赤旗』の取材なら仕方がないと応じました。ここで頑張ってもらわなければ困るからです」