2020年11月21日(土)
多国籍企業利益を優先
日英EPA承認案可決 穀田氏が反対
衆院外務委
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衆院外務委員会は20日、日英包括的経済連携協定(日英EPA)承認案を自民党と公明党などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。
日英EPAは、英国の欧州連合(EU)離脱で日本EU経済連携協定(日欧EPA)が英国に適用されなくなるため、それに代わるものとされます。
日本共産党の穀田恵二議員は反対討論で、日英EPAは「貿易自由化が危機に弱い社会経済をつくり出したことになんの反省もないまま多国籍企業の利益を優先し、際限のない市場開放を一層推進するものだ」と批判。日欧EPAには盛り込まれなかったコメを含むすべての農産品を協定発効5年後に見直す対象とするなど、「こうした日欧EPAを超える譲歩が、今後の新たな貿易協定でより高い水準の市場開放を迫られる基準になりかねない」と指摘しました。
穀田氏は、コロナ禍のもとで食料の輸出制限が世界19カ国で起き、日本の食料供給の脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになったとして、「いま政府に求められているのは国内生産基盤の抜本的強化や食料自給率の向上だ」と強調しました。
さらに穀田氏は、デジタル貿易分野についても日英EPAが日米貿易協定並みの高いレベルになっていると指摘し、「プラットフォーマーの規制強化をどう進めるかが課題となっている中で、多国籍IT(情報技術)企業の求めるルールづくりを優先することは世界の流れに逆行するもの」と批判しました。