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2020年11月20日(金)

主張

千葉・木更津駐屯地

日米オスプレイ拠点化許すな

 陸上自衛隊が導入を進めている米国製垂直離着陸機V22オスプレイが千葉県の陸自木更津駐屯地に配備され、今月上旬に試験飛行を強行しました。同駐屯地で実施されている米軍オスプレイの整備についても能力増強が狙われています。日米オスプレイの一大拠点づくりを許してはなりません。

首都圏の空飛び回る危険

 陸自のオスプレイは今年7月、最初の2機が木更津駐屯地に配備されました。これに先立つ3月には同機を運用する「輸送航空隊」が同駐屯地に新設されました。最終的には17機が配備されます。

 今月6日には初飛行として駐屯地内でホバリング(空中停止)を実施しました。しかし、10日に予定していた場外飛行は、ホバリング中に「警告表示」が出たため中止になりました。防衛省は機体の潤滑油の再点検を促す最も軽微な警告だったと説明しますが、18日時点でもいまだ点検・整備中としています。整備や補修に時間がかかるオスプレイの構造的問題を指摘する声も上がっています。

 一方、木更津駐屯地では2017年以降、米海兵隊普天間基地(沖縄県)に配備されているMV22オスプレイの定期整備をSUBARU(スバル=旧富士重工)が行っています。同社の契約は今年整備入りする機体までとなっていることから米軍は5月に来年以降の整備について実施企業を募集するため「提案要求」を公表しました。

 それによると、米軍は同時に最大7機の整備を求めています。防衛省は、米軍の7機同時整備という要求に加え、陸自のオスプレイを3機同時に整備できるようにするため、木更津駐屯地にある格納庫を現在の1棟から新たに2棟建設し3棟にしようとしています。同時に整備可能な機体数は計10機になり、前回の米軍の提案要求の3~4機と比べると、整備能力はおよそ3倍に強化されます。

 今回の提案要求で重大なのは「2023年以降、米海軍CMV22の整備も想定」とされていることです。CMV22は米空母に搭載されるC2輸送機の後継となる海軍型のオスプレイで、人員や補給物資を空輸します。防衛省はこれまで同機の日本配備に一切言及していませんでした。米海軍厚木基地(神奈川県)への配備の危険があります。

 米軍のオスプレイは、米空軍横田基地(東京都)に配備されている空軍型のCV22が24年までに現在の5機から10機に増える予定です。普天間基地の海兵隊型MV22は24機が配備されています。陸自のオスプレイも22年に17機全てがそろう予定です。そうなれば、23年以降、米3軍と自衛隊の多数のオスプレイが首都圏上空を飛び回ることになります。

反対の世論と運動大きく

 防衛省は陸自のオスプレイが長崎県の相浦駐屯地(佐世保市)を拠点にする自衛隊版海兵隊・「水陸機動団」の輸送を主な任務にすることから佐賀空港(佐賀市)への配備を狙っていますが、地元漁協などが強く反対しています。このため木更津駐屯地に「5年以内を目標」に「暫定配備」されました。

 しかし、同駐屯地が日米オスプレイの整備・運用の一大拠点になれば恒久配備の危険はいっそう高まります。「日本のどこの空にもオスプレイはいらない」の声を全国で大きくすることが必要です。


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