2020年11月18日(水)
ワクチン 安全と意思尊重が大事
参考人が意見
宮本氏質疑
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新型コロナウイルスワクチン接種関連法案の参考人質疑が17日、衆院厚生労働委員会で行われ、参考人からは、安全性の確認や接種の自己決定権の尊重を求める意見が相次ぎました。日本共産党からは宮本徹議員が質疑に立ちました。
大阪大学免疫学フロンティア研究センターの宮坂昌之招聘(しょうへい)教授も「大事なのは安全の確認と個人の意思の尊重だ」と強調。現在各国で開発中のワクチンは「有効性は高いが安全性はまだ担保されていない。極めて慎重に使わなければならない。接種を努力義務とすると倫理的にも問題になる」と指摘しました。
今後の薬事承認については、日本医師会の釜萢敏(かまやち・さとし)常任理事が「これまで積み上げてきたしっかりした基準・手順を踏んだ手続きが必要だ」と強調。
薬害オンブズパースン会議事務局長の水口(みなぐち)真寿美弁護士は、健康な人が接種するワクチンは治療薬より高い安全と有効性が必要であり、海外で薬事承認を得た医薬品を一定の要件のもとで日本では審査をせずに承認する「特例承認」は認めるべきではないと強調しました。
川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、ワクチン開発は通常5~10年かかるが新型コロナでは1年足らずで治験にまで到達していると説明。ワクチンには重大な副反応を起こすリスクもあり、「安全性のチェックとともに過剰な(接種)勧奨にならないようにするのも重要だ」と注意を促しました。
臨床試験(治験)の最終段階にあたる「第3相試験」(検証的臨床試験)の国内での実施については、「基本的には必要」(岡部氏)、「日本でもやった方がいい」(宮坂氏)との声があがりました。