2020年11月12日(木)
木更津、日米オスプレイの拠点に
整備能力3倍、恒久配備の危険
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陸上自衛隊が導入した垂直離着陸機V22オスプレイが12日以降、「暫定」配備先の陸自木更津駐屯地(千葉県木更津市)の場外で試験飛行します。今後は関東一帯へと飛行範囲を広げる予定。木更津駐屯地は、日米のオスプレイ整備能力も強化され、オスプレイの一大根拠地に変貌します。
木更津駐屯地は、敷地面積約210万平方メートル(東京ドーム約45個分)。あまり知られていませんが、日米地位協定2条4項aに基づき、陸自と米海軍が共同使用している米軍基地です。
2017年から日本企業のSUBARU(スバル)が、米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)のMV22オスプレイの機体整備を実施中。スバルとの契約は20年に整備入りする機体までとなっていることから、米軍は5月、21年以降の整備に関する提案要求を公表しました。
同提案要求では、同時に整備する機体数を現在の3~4機から最大7機とすることを求めました。これを受けて防衛省は、整備用格納庫を新たに2棟建設して計3棟とし、同時に整備できる機体数を、米海兵隊MV22の7機と陸自V22の3機の計10機へと増加することを計画。整備能力を3倍に強化します。
21年度軍事費の概算要求では新たな格納庫整備費として84億円を計上。同駐屯地を日米オスプレイ共通の整備基盤とすることで、「5年以内」とされる陸自V22の「暫定」配備が、恒久配備になる危険があります。
また、米軍の提案要求は、23年以降、米海軍CMV22オスプレイの整備も想定していると記載しています。CMV22は、空母に補給物資や人員を輸送するための機体。米海軍は空母と地上を結ぶC2輸送機と交代する計画です。米海軍厚木基地(神奈川県)に配備される可能性があります。
日本に配備されるオスプレイは、普天間基地の海兵隊型MV22(24機)、横田基地(東京都)の空軍型CV22(10機)。これに海軍型CMV22が加わることで、米軍が採用している3種のオスプレイがすべてそろいます。陸自V22の17機とあわせ、50機以上にのぼるオスプレイの巣窟になります。しかも、そのすべてが首都圏に展開し、木更津が一大拠点となるのです。
陸自V22は今後、関東各地の演習場に飛行することも想定され、首都圏の空でオスプレイが自由勝手に飛び交い、パラシュート降下訓練など日米一体の訓練が繰り広げられる危険があります。
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