2020年10月26日(月)
核兵器違法化いざ 草の根運動さらに
禁止条約1月発効 被爆地 歓喜の訴え
生きてきてよかった 若者が継ぐ 署名が力に 為政者に決断促す
長崎
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2017年7月に国連会議で採択された核兵器禁止条約の発効が確定したことを受け、「『ヒバクシャ国際署名』をすすめる長崎県民の会」は25日、長崎市の平和公園で「批准50カ国を祝い核兵器廃絶を誓うつどい」を開きました。被爆者5団体の代表らをはじめ200人が参加しました。
「長崎県民の会」共同代表で長崎原爆被災者協議会の田中重光会長は「今の気持ちはこの晴れ渡った青空のようです」。目に涙をいっぱいため「私たち被爆者は、生きてきてよかったと心から喜びを分かち合う日を迎えました」と語り、数十万の原爆死没者と被爆者運動に死力を尽くした方々への感謝の気持ちを述べました。
長崎原水協の大矢正人代表理事は「日本国民の願いは一刻も早く戦争被爆国である日本政府が条約に調印することであり、核兵器のない世界に向けて本当の意味でのリーダーシップを取ることです」と訴えました。
「長崎県民の会」共同代表で長崎県被爆者手帳友の会の朝長万左男会長は「本当の核なき世界を目指す。明日からそのスタートです。皆さん頑張りましょう」と力を込めました。
つどいに参加した大学1年の学生は「先人たちによってつくられてきたこの歴史を、自分たちが受け継ぐ番が本当に来たんだと感じました」と話しました。
田上富久長崎市長もあいさつし、日本共産党の衆院長崎1区の安江あや子予定候補が参加しました。
広島
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広島市の原爆ドーム前で25日、広島県内の被爆者7団体の呼びかけで「核兵器禁止条約批准50か国を祝い、さらなる前進を誓う会」が開かれました。条約の発効を願ってきた被爆者や市民、首長など約200人が集って喜び合うとともに、唯一の被爆国・日本政府の批准や政策転換を求める発言が相次ぎました。
「本当にこの日が来るのが待ち遠しかった」。県被団協(坪井直理事長)の箕牧智之理事長代行はこう喜ぶ一方、「50カ国の中にジャパンが入ってないのが残念」と述べました。
もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長は「核保有国にとって、核抑止を正当化する根拠はなくなった」と指摘。ヒバクシャ国際署名は全国で1261万人(9月現在)が集まっているとし、「署名に託された願いを今後、禁止条約の発効から廃絶へと向かうよう、もっともっと広げていこう」と呼びかけました。
「最大、最強の道具を私たち自身が勝ち取った」。市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」の森滝春子共同代表はこう語り、「この日本がまず署名、批准を一日も早くすること。条件など必要ない」と訴えました。
松井一実市長は「為政者に核抑止政策に頼らないという決断を促す大きな課題が残っている」と指摘。会長を務める平和市長会議としても「世界の約8000の加盟都市が連帯し、為政者が核兵器廃絶に向けて政策転換し、平和への大きな潮流をつくり出すための環境づくりを進めていく決意です」と述べました。
湯崎英彦知事は「核兵器のない世界に向けた大きな一歩だ」とし「県としても(核兵器廃絶への)機運を高め、核兵器に依存する安全保障の枠組みを変えていくために知恵を集め、力を合わせていきたい」と表明しました。