2020年10月25日(日)
核兵器禁止条約 発効へあと1カ国
ジャマイカとナウルが批准
核兵器の「終わりの始まり」 サーロー節子さん
【ワシントン=池田晋】2017年に国連で採択された核兵器禁止条約が23日、ジャマイカとナウルが新たに批准書を国連に寄託したことで、発効要件の50カ国到達まで残り1カ国に迫りました。「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)などが開催した同日のオンライン会合で、この2カ国が寄託を発表しました。
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会合はICANおよび条約推進に中心的役割を果たしてきたオーストリア、ブラジル、コスタリカなど10カ国の政府の共催。
ジャマイカのラトレー国連大使は、核軍備撤廃の交渉を誠実に行うことを約束した核不拡散条約(NPT)第6条の下での「国際義務を果たすものだ」と表明。「この重要問題をめぐって広がる国際世論の民意に加わったのであり、まさに核廃絶こそ世界のすべての市民の利益にかなうものだ」と語りました。
太平洋の島国ナウルの代表も、「核兵器の存続と核使用の可能性が人類にとって引き続きの脅威だ」と述べ、早期に批准手続きを済ませるよう他の国に呼び掛けました。
被爆者を代表して発言した広島市出身でカナダ在住のサーロー節子さんは、50カ国到達まで目前に迫ったことについて、「まさしくこれは核兵器の『終わりの始まり』を刻むものだ。それを聞いたときに、立ち上がることができず、両手に顔を埋めうれし泣きした」と条約発効に貢献してきたすべての人に感謝を表明。「核兵器禁止条約は新たな扉を大きく開くもの。これをくぐり抜ければ、たたかいの新たな一章が始まる」と核廃絶への決意を語りました。