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2020年10月23日(金)

全被害者救済判決を 原告主張

建設石綿訴訟 最高裁で初弁論

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(写真)最高裁判所に向かう原告と弁護団=22日、東京都千代田区

 建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み肺がんなどの健康被害を受けたとして、神奈川県内の建設労働者と遺族約80人が国と建材メーカーに損害賠償を求めた訴訟(神奈川1陣)の上告審弁論が22日、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)であり、結審しました。判決期日は後日指定されます。

 同種訴訟は最高裁で他に4件が係争中ですが、弁論が開かれるのは初めて。原告2人が陳述。50年以上建設業を営んでいた夫と次男を立て続けに肺がんで亡くした栗田博子さんは「夫は少年野球の監督をするほど元気だった。次男は結婚を控えていた。提訴後12年がたっている。遺族の思いを酌んだ正しい判決を」と訴えました。

 一人親方(個人事業主)で肺がんになった古野正行さんは、高裁判決で一人親方が救済対象から外れたことに「救済された労働者と同じ建設現場で同じ建材を使って、同じ仕事をした。命の重さも同じだ」と話しました。

 国や建材メーカー側は、違法性を認めませんでした。

 報告集会で原告弁護団は、高裁で救済が認められなかった被害者の上告が認められたことで、「国の違法が認められる期間の拡大」「一人親方を対象にする」「対象となる職種の拡大」が認められる可能性があると指摘。「今後も増え続ける新たな被害者も含めた、全ての被害を救済する補償基金制度創設による全面解決に資する判決を」と求めました。


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