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2020年10月23日(金)

尋問に証言拒否100回

案里被告公判で克行元法相

参院選買収事件

 昨夏の参院選広島選挙区の大型買収事件で公職選挙法違反(買収など)の罪に問われた元法相で衆院議員の河井克行被告=自民離党=が22日、東京地裁(高橋康明裁判長)で開かれた参院議員の妻・案里被告=同=の公判に証人として初めて出廷しました。克行被告は検察側の尋問に約100回、証言を拒否しました。


 新たに弁護人5人の届け出を行い、約1カ月ぶりに姿を見せた克行被告。冒頭の本人確認では「衆議院議員です」と大きな声で答えましたが、その後の検察側の尋問には「被告人という立場に置かれている。必要なことは自分自身の裁判で申し上げたい」と、証言拒否をくり返しました。

 克行被告は昨年3月から8月、案里被告を当選させる目的で広島県内の政界関係者や後援会員ら100人に計2901万円を渡した疑いが持たれています。

 検察側は現金の配布先が書かれたとみられるリストなどの証拠品を示して100以上の問いかけをしましたが、克行被告は参院選に向けた案里陣営の活動や現金配布の詳細をいっさい語りませんでした。

 他方、起訴状で自身が案里被告と共謀して現金を手渡したとされる5人のうち県議4人については「妻が誰に現金を差し上げたのか、私は知りません」などと述べました。

 配布した現金について「投票や票の取りまとめを依頼する趣旨はなかったか」との問いには「初公判で否認した」と主張。「案里被告の選挙の全体を総括していたのは誰か」「あなたではなかったか」との問いかけには「総括主宰者については否認する」と強調しました。

 克行被告が「質問の意味が分からない」と検察官に聞き返す場面もあり、政治家の実名をあげて現金配布の事実関係を問いただされると「証言を差し控えます」と何度も言い逃れました。

 刑事訴訟法では、自身や近親者が有罪判決を受ける恐れがある場合、証言を拒絶することが認められています。しかし、克行被告は元法相のうえ現職の国会議員であり、自身が罪に問われた事件の真相を積極的に語る責任があります。


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