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2020年9月28日(月)

広がった市民と野党 共通政策

市民連合の要望書にみる

命・尊厳守る 新自由主義転換 平和の道

 次期総選挙に向け市民と野党がともに作り上げている「共通政策」が大きく発展しています。「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)が25日、日本共産党、立憲民主党、社民党の3野党に提出した政策要望書(本紙26日付掲載)は、新型コロナ危機の体験を踏まえ、「いのちと人間の尊厳を守る」政治の実現を強調。社会のすみずみに憲法の理念をいきわたらせ、利益追求・効率至上の新自由主義の経済を転換し、世界の中で生きる平和国家・日本の道を再確認するなど「総合的な政策体系」(市民連合呼びかけ人の広渡清吾東京大学名誉教授)となっています。


 政策要望書を土台にした「共通政策」は、2016年参院選、17年総選挙、19年参院選でもつくられ、自公政権に対決する市民と野党の共闘の旗印になってきました。

 その内容は、選挙を重ねるごとに発展。16年参院選では「安保関連法の廃止と立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を含む)を実現すること」を基本におき、「誰もが自由で尊厳ある暮らしを送ることができる公正で健全な社会モデルへの転換」を掲げました。

 翌17年の総選挙では新たに「憲法9条改正反対」「特定秘密保護法、安保法制、共謀罪法など安倍政権が行った立憲主義に反する諸法律の白紙撤回」など7項目を掲げました。

 19年参院選の「共通政策」は13項目にさらに広がり、▽9条改憲に反対し、改憲発議そのものをさせない▽沖縄県名護市辺野古の新基地建設を直ちに中止し、普天間基地の早期返還・撤去を進める▽再生可能エネルギーを中心としたエネルギー政策の確立で「原発ゼロ」を目指す▽消費税10%増税を中止し、所得、資産、法人の各分野での総合的な税制の公平化を図る―など国政の根幹部分で市民と野党の共通の旗印が立ちました。

 総選挙の「共通政策」とする今回の市民連合の政策要望書は、さらに豊かになりました。▽憲法に基づく政治と主権者に奉仕する政府の確立▽生命、生活を尊重する社会経済システムの構築▽地球的課題を解決する新たな社会経済システムの創造▽世界の中で生きる平和国家日本の道を再確認する―という四つの柱に15項目の政策が掲げられています。この中には「医療・公衆衛生体制に国がしっかりと責任をもち、だれでも平等に検査・診療が受けられる体制づくりをめざす」「世帯単位ではなく個人を前提に税制、社会保障制度、雇用法制の全面的な見直しを図る」「『核兵器禁止条約』を直ちに批准する」など新たな政策もあります。

 日本共産党の志位和夫委員長は「政策要望書を土台にして政党間協議をしっかりやって、より豊かなものにしていく努力を政党の側がやらなければいけない」と表明しています。

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