2020年9月25日(金)
21年度概算要求 軍事費過去最大5.5兆円
コロナ禍でも大軍拡
「敵基地攻撃」「イージス代替」費も視野に
防衛省は24日までに、2021年度予算の軍事費概算要求について、過去最大の約5兆5千億円とする方針を固めました。軍事費(当初予算ベース)は2012年12月の第2次安倍内閣発足以降、20年度まで8年連続で増加し、6年連続で過去最大を更新。20年度は5兆3133億円を計上しています。
新型コロナウイルスの感染拡大による厳しい経済情勢と医療体制ひっ迫の中、菅政権が安倍前政権の大軍拡路線まで継承すれば、国民の強い反発は避けられません。
さらに岸信夫防衛相は24日、秋田・山口両県への配備を断念した陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替策について、自民党の国防部会などに説明。陸上配備から洋上配備に転換し、(1)弾道ミサイル迎撃に特化した専用艦を含む護衛艦型(2)民間船舶活用型(3)石油採掘用プラットフォーム型―の3案から年内に絞り込む考えです。
概算要求では金額を提示しない「事項要求」にとどめますが、来年度予算案に計上された場合、軍事費はさらに膨れ上がります。総額は最低でも数千億円規模となり、来年度以降も関連経費の計上が続き、際限のない軍拡となります。
関係者によれば、概算要求では、今年度と同様に、F35Bステルス戦闘機の導入と、F35Bを搭載するための「いずも」型護衛艦の改修、スタンドオフ・ミサイル(長距離巡航ミサイル)や電子戦機の導入経費が含まれています。これらはいずれも、安倍前政権から菅政権に検討が継承された「敵基地攻撃能力」の保有につながるものです。
航空自衛隊のF2戦闘機の後継となる次期戦闘機の開発関連経費も組み込まれる見通しです。
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