しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年9月20日(日)

安保法制の廃止、野党連合政権ともに

志位委員長のあいさつ

 日本共産党の志位和夫委員長が19日に国会正門前行動で行ったあいさつ(全文)は次の通りです。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=19日、国会正門前

違憲の法制を継承させるわけにはいかない

 みなさん、こんにちは。日本共産党の志位和夫です。

 安保法制=戦争法の強行からちょうど5年になりました。菅政権に代わりましたが、「安倍政権を継承する」といっている。しかし、憲法違反の安保法制を継承させるわけにはいきません(「そうだ」の声、拍手)。まずこれを廃止するという決意を固めあおうではありませんか。(拍手)

「敵基地攻撃」とは何か――相手国の領域にまで乗り込み焼け野原に

 いま、安保法制の危険をとりわけ深刻なものとしているのが、「敵基地攻撃」能力保有の動きです。

 「敵基地攻撃」とは何か。生易しいものではありません。

 7月の参院外交防衛委員会で、当時の河野太郎防衛相がその中身を赤裸々に語りました。彼は、「(敵)基地をたたくことは憲法上可能」だと強弁したうえで、「敵基地攻撃」とは、「相手国の領域で、まず防空レーダーなどを攻撃・無力化して、相手国の領空における制空権を確保したうえで、ミサイル基地を破壊・無力化し、攻撃の効果を把握したうえでさらなる攻撃を行う、一連のオペレーション(作戦)だ」と言ったんです。つまり、1発ミサイルを撃つという話ではないのです。相手国の領域まで乗り込んでいって、ミサイル基地をしらみつぶしに攻撃して、焼け野原にしてしまうという話なのです。

 みなさん、こんなものが憲法9条のもとで認められるわけはないじゃないですか。(「そうだ」の声、拍手)

「安保法制プラス敵基地攻撃能力」は恐ろしいことになる

 しかも重大なことは、政府が、安保法制による集団的自衛権の発動として、「敵基地攻撃」を行うことを否定していないということです。昨日の東京新聞で報じています。

 そうなったらどうなるか。日本に対する攻撃はないのに、米軍と自衛隊が、相手国の領域まで乗り込んでいって、一緒になって攻撃し、相手国を焼け野原にする。これができるようになるということじゃないですか。

 それは、「日本を守る」どころか、相手国による反撃を呼びおこし、日本に戦火を呼び込むことになる。また、日本がこうした能力をもつこと自体が、この地域の軍拡競争を激化させ、情勢を危険なものとする。

 「安保法制プラス敵基地攻撃能力」――これは恐ろしいですよ。こんな道は絶対に許すわけにはまいりません。(「そうだ」の声、拍手)

 この点でも、安保法制を続けさせるわけにはいきません。この法制をみんなで力をあわせて、きれいさっぱり廃止し、日本の国に立憲主義を回復する。この決意を固め合おうではありませんか。(拍手)

共闘の発展――アプローチを登ってきて、いよいよ頂上にアタックを

 みなさん。この5年間を振り返りますと、いまお話ししたような危険な動きとともに、希望ある動きも起こっていると思います。

 5年前を、思い出しますと、安保法制(審議)の最終盤の8~9月、この国会前で「野党は共闘」のコールが湧き起こりました。私も、何度もこの場で訴えて、市民のみなさんの気持ちを痛いほど感じておりましたが、その声に背中を押されました。

 私たちは、9月19日、戦争法が強行されたその日に、この憲法違反の法制ばかりは数の暴力で通されたからといって、そのままにしておくわけにはいかない。廃止しなくてはならない。そのために「安保法制=戦争法廃止の国民連合政府」をつくろう、そして野党は選挙協力をやろうじゃないか、ということを呼びかけました。

 それから5年間、野党のみなさんとスクラムを組んでたたかい、たくさんの友人が全国につくられたのは、本当にうれしいことです。3回の国政選挙を市民と野党の共闘でたたかいました。2016年の参院選挙、17年の総選挙、19年の参院選挙です。いろいろと複雑なこともあった、逆流もあったけれど、みなさんのお力で、共闘が一歩一歩前進しているのではないでしょうか。

 そして、大きな成果があがった。その最大の成果が、安倍9条改憲を許さなかったことにあると思います(拍手)。市民と野党の共闘がなかったら、いまごろは9条変えられていたかもしれない。これはみなさんの力です。みなさんが勝ち取った大きな勝利ではないでしょうか。(拍手)

 共闘のいまの到達は、山登りでいえば、アプローチを登ってきて、いよいよアタック――頂上に登ろう、政権交代に挑戦するというところだと思います。

 それを象徴する出来事がありました。臨時国会の首相指名選挙で、野党はみんなで、立憲民主党の枝野幸男代表に投票しました。衆院134票、参院78票です。みなさん、政権交代が現実的な目標として見えてきたのではないでしょうか(拍手)。衆院では、あと100票を増やしたら、政権交代です。

政権交代で、安倍政治の「負の遺産」を一掃し、新しい政治を

 どうか、総選挙で勝たせてほしい。総選挙で勝つためには「3点セット」が必要です。

 一つは、野党として、自公政権に代わる政権構想――野党連合政権の合意をつくって示す必要があります。これをやってこそ国民に本気度が伝わります。

 二つ目に、その政権が実行する政権公約をみんなで練り上げる必要があるのではないでしょうか。菅首相は「自助、共助、公助」なんて言っています。「自助、共助」なんて政治が言ってはダメですよ(「そうだ」の声、拍手)。政治がやるべきは「公助」――公の責任を果たすことにつきるのではないでしょうか(拍手)。そういう新自由主義的な方向に決別して、新しい社会をつくろうということでも、野党は一致している。それをベースにして、しっかりとした政策をつくる。

 そして三つ目に、選挙協力をやる。

 この「3点セット」がそろいましたら、政権交代できます。政権交代をやって、安倍政権の「負の遺産」をすべて一掃して、新しい政治をつくるために、みなさん、力をあわせて頑張ろうじゃありませんか(拍手)。私たちも頑張り抜く決意を申し上げまして、ごあいさつとします。(拍手)


pageup