2020年9月18日(金)
「桜を見る会」中止
来年以降 菅首相が表明
菅義偉首相は16日の記者会見で、安倍晋三前首相による私物化疑惑がもたれている「桜を見る会」について、「私が首相に就任したのを機に来年以降、今後は中止したい」と明言しました。同会をめぐっては、私物化の問題のほか、前夜祭をめぐる後援会員の「買収」疑惑、悪徳マルチ会社ジャパンライフの会長を招待した問題、招待者名簿の廃棄・隠蔽(いんぺい)など数々の疑惑が噴出し、野党や国民から真相究明の声が上がっています。
菅首相は「安倍政権が長くなる中で招待客が多くなり、会の在り方についていろいろ批判がある」と述べましたが、具体的な問題点には触れずに「中止」を表明しました。
問われているのは疑惑の真相究明であり、会を中止したからといってその責任をあいまいにすることは許されません。
菅氏、追及から逃げるのか
神戸学院大教授 上脇博之さん
菅首相が「桜を見る会」について「来年以降中止」と表明したのは、国民や野党からの追及から逃げようとしている表明だと思います。
安倍前首相は「会」の招待者ですから大きな責任があるのは言うまでもありませんが、内閣官房が政治枠の推薦を行い、内閣府がそれを含め招待しています。当時の責任者の菅首相が「知らない」と逃げるわけにはいきません。安倍氏同様に当事者です。招待客は1万人と人数が決まっていたのに、なぜ1万5千人超を招待し1万8千人超が参加したのか(2019年)。菅首相の責任は重大です。
内閣府は各省庁に同一人が連続して招待されないように推薦者を選ぶよう文書で指示しています。もし、次年度に予算をつければ、前回との重複を判断することが問題になります。内閣府は招待者名簿を破棄しているといっていますし、菅氏が責任者だった内閣官房の中の一部で推薦名簿を廃棄したことになっています。どうやって、「連続した招待」でないとして人選するのか。必ず国会で追及されます。安倍前首相の姿勢を「継承」して菅首相もその説明から逃げたいのです。菅首相は説明責任を果たす気がないということです。