2020年9月13日(日)
水災害対策 国交省からヒアリング
流域治水に住民参加を
高橋・武田氏ら
|
日本共産党の高橋千鶴子衆院議員、武田良介参院議員らは10日、国会内で、「流域治水」について国交省からのヒアリングを行いました。
気候変動で豪雨災害が頻発・激甚化するなか、水災害対策の「流域治水」への転換が注目されています。
これまで治水対策は、ダムによる洪水調節が優先され、堤防強化や河道掘削など河川整備が後回しにされてきました。近年の記録的降雨による河川氾濫で、ダムの緊急放流、堤防決壊が相次ぐなどダム依存の限界が明らかになり、市街地の浸水危険区域内での浸水被害が多発しています。
このため、国土交通省の社会資本整備審議会が7月、ダムや堤防に頼る治水には限界があるとの認識に立ち、流域の市町村、企業、住民が一体で防災・減災対策に取り組むという内容の答申を出しました。
「気候変動を踏まえた水災害対策のあり方について――あらゆる関係者が流域全体で行う持続可能な『流域治水』への転換」と題する答申にともない、河川の氾濫を防ぐため、遊水地や田んぼなどに水をためることや、災害危険区域の開発規制や同区域からの移転の促進などが検討されています。また同省は、国管理河川で今年度中に「流域治水プロジェクト」を策定するとしています。
両議員からは「河川整備では上流と下流の利害調整が困難を極める。住民参加・合意形成が重要」などの意見が出されました。
高橋議員は、「近年の豪雨災害の頻発・激甚化で治水対策について関心が高いが、地方自治体レベルでも、いまだ『流域治水』の必要性は十分に共有されていない。水災害対策を急いで提案できるようにする必要がある」と指摘しています。