2020年9月12日(土)
安倍首相談話 安保政策「年末までに」
敵基地攻撃能力で次期政権に指示
安倍晋三首相は11日、安全保障政策に関する談話を発表しました。北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルを念頭に、「与党とも協議しながら、今年末までに、あるべき方策を示し、安全保障環境に対応していく」と強調。16日の辞任を前に、憲法違反の敵基地攻撃能力の保有や配備を断念した陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替策の検討を次の政権に指示しました。
また、安保法制=戦争法の成立などで「安全保障政策に大きな進展があった」と自賛。日米同盟強化と軍拡路線を次期政権に引き継がせることも示しました。
安倍首相は談話で、弾道ミサイルの迎撃能力を確保していくとする一方で、「迎撃能力を向上させるだけで本当に国民の命と平和な暮らしを守り抜くことが出来るのか」として「抑止力強化」を訴え、先月の退陣表明で具体化を進めるとした敵基地攻撃能力の保有を改めて強調しました。
今後、敵基地攻撃能力の保有を政府に提言した自民党など与党と協議する意向を示しました。
談話発表後、安倍首相は記者団に「国民の生命と財産を守る大切な議論だ。退任にあたり今までの議論を整理し、談話という形で発表した。次の内閣でもしっかり議論してほしい。(談話が次期政権を)縛ることにはならない。次の内閣でも議論を深め、責任を果たしていくのは当然のことだろうと思う」と正当化しました。