2020年9月10日(木)
「敵基地攻撃」は違憲
官邸前 市民と野党抗議
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辞任直前の安倍晋三首相が「敵基地攻撃能力」保有に道筋をつけようとしていることへの抗議行動が8日夜、首相官邸前で行われました。武器取引反対ネットワークが緊急に呼びかけ、市民や野党議員ら約50人が「敵基地攻撃能力は憲法違反」「武器より暮らしを」などのプラカードや横断幕を掲げ抗議の声をあげました。
日本体育大学の清水雅彦教授(憲法学)は、相手がミサイルを撃つ前に「先制攻撃」をする敵基地攻撃は「国連憲章違反の行為になり、憲法と国連憲章と二重に違反する」と語りました。ジャーナリストの志葉玲氏は、世界で最強の空軍、衛星を持つ米国でも「誤爆」で多くの市民の犠牲を生んでいると述べ、「こんなことを日本の自衛隊にやらせるのか」と訴え。軍学共同反対連絡会の小寺隆幸事務局長は、敵基地攻撃能力にかかわる軍事研究は水面下で進行していると告発しました。
野党から日本共産党、立憲民主党、社民党の国会議員が参加。共産党の井上哲士参院議員は、敵基地攻撃能力を持つとなれば、「専守防衛」といってきた自衛隊の装備を根本から変える兆単位の軍事費が必要になると指摘し、「憲法をじゅうりんし、日本を危機にさらすことはやめさせ、そのお金を命やコロナ対策、暮らしに回せと声をあげていこう」と呼びかけました。宮本徹衆院議員は、世界各国やアジア諸国に対し軍縮や平和の共同体づくりを呼びかけることこそ「憲法9条をもつ日本にしか果たせない役割だ」と訴えました。
立民の本多平直衆院議員は「国会で説明もせず大きな方針転換は許されない」、社民の福島みずほ参院議員は「憲法破壊する政治そのものを変えていこう」と語りました。