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2020年9月8日(火)

主張

コンビニ公取調査

オーナー苦しめる構造ただせ

 コンビニエンスストアの調査報告書を公正取引委員会が先週公表しました。加盟店に対する24時間営業の強制や過剰な仕入れの強要などコンビニ本部(本社)の横暴が変わっていない実態が改めて示されました。公取委は独占禁止法が禁止する「優越的地位の乱用」にあたる恐れがあるとし、独禁法に触れかねない点を自主点検し報告するよう求めました。大手8社は改善に乗り出すべきです。

24時間営業やめたくても

 これまでも店舗のオーナーから「20年間1日も休んでいない」などと告発する声が絶えませんでした。オーナーの組織、全国フランチャイズ(FC)加盟店協会やコンビニ加盟店ユニオンなどが改善を求めていました。この訴えが政府を動かしつつあります。

 公取委による実態調査は8年ぶりです。大手コンビニの全加盟店を対象にし、2割を超す約1万2000店から回答を得ました。結果は、営業時間の短縮希望が67%、「必要以上の仕入れを強要された」が48%、「深夜営業は赤字」が77%でした。業界の一部に時短営業を認める動きもありますが、本部に時短を拒絶されたとの回答があり実態に変化はありません。

 24時間営業をやめたくても、やめられないのは本部が強制しているからです。大阪府東大阪市では、最大手のセブン―イレブンが、本部の同意なく深夜閉店に踏み切った加盟店との契約を昨年12月に解除しました。

 元オーナー、松本実敏さんはセブンに解除無効を求める訴訟を起こしています。松本さんは共に店を支えた妻を病気で失い、自身も1日22時間のシフトに入ったものの人手不足が解決しなかったと訴えています。それでも本部は24時間営業を強い、従わない松本さんを排除しました。

 コンビニは、本部が加盟店に商標や経営システムを提供する代わりに、加盟店が本部に上納金を払う商法です。人件費は経費に算入されず、加盟店の負担です。期限切れで廃棄になったり万引きされたりした商品の原価は加盟店の負担です。加盟店は廃棄や万引きの分まで仕入れ原価を本部に払うので、売れ残りが出ても仕入れを増やすほど本部がもうかります。24時間営業や過剰な仕入れの強制はこうした仕組みによるものです。

 オーナーに過酷な負担を強いる商法でコンビニという業態の存続が危ぶまれています。経済産業省の「新たなコンビニのあり方検討会」が「コンビニというビジネスモデルの持続可能性が危機にひんしているのではないか」と警鐘を鳴らすほどです。

コンビニ・FC法制定を

 改善が進まない大本には、加盟店を守る法律がないという問題があります。日本共産党は「コンビニ・FC法」の制定を求めています。営業時間・日数の強制禁止▽本部による既存店近隣の出店を原則禁止▽人件費の上昇などに応じた上納金見直し▽特異な「コンビニ会計」の見直し▽本部による一方的な契約更新拒絶の禁止▽行政による監視・指導体制の確立―などが必要です。

 コンビニは「社会的なインフラ」といわれる重要な役割を果たしています。本部と加盟店の関係を対等なものにし、オーナーに人間らしい待遇を保障する仕組みを整備するのが政府の責任です。


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