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2020年9月3日(木)

コンビニ24時間強制

独禁法違反の恐れ 公取委 本部に改善要請

オーナーに調査 業務時間「辛い」63% 時短希望67%

 公正取引委員会は2日、コンビニエンスストア本部が加盟店に24時間営業を強制することは独占禁止法違反にあたる恐れがあるとの見解を示しました。24時間営業をめぐっては、人手不足で深夜の閉店に踏み切った加盟店がフランチャイズ契約を解除されたことで解除無効を求め訴訟を起こしています。公取委はコンビニ8社に自主的な改善を要請しました。


写真

(写真)東京都内のコンビニエンスストア

 コンビニオーナーの長時間労働などが問題になったことから、公取委は昨年10月から今年8月にかけて大手コンビニの全加盟店(5万7524店)を対象に実態調査(回答率21%)を実施。2日に問題点などをまとめた報告書を公表しました。

 報告書によると、77・1%の店舗が深夜帯は赤字になっていました。現在の業務時間が「非常に辛(つら)い」「どちらかといえば辛い」と回答したオーナーは62・7%にのぼっています。

深夜勤月7日

 人手不足によりオーナー自身が深夜帯の勤務に入らざるを得ないなど過酷な勤務に悲鳴が上がっています。報告書では、年間の平均深夜勤務日数は84・7日(月7・1日)となっていることも判明。平均休暇日数は年間わずか21・3日(月1・8日)にとどまっています。

 「時短営業に完全に切り替えたい」「人手不足等により一時的に時短営業に切り替えたい」などと答えたオーナーは66・8%で、24時間営業の強制が大きな負担になっている様子がうかがわれます。

 コンビニをめぐっては加盟店を募集する際に、オーナー希望者に十分な情報が提供されていなかったことも問題になっています。加盟前に受けた説明よりも実際の状況が悪かったオーナーは41・1%となっています。

 公取委は報告書で、加盟店募集のパンフレットなどで「深夜帯の採算性の悪さや深刻な人手不足の実態等について積極的に開示している例」は見られないと指摘。「本部は加盟店募集時の説明に当たって人手不足の実態等について十分実態を踏まえた説明及び情報公開を行う必要がある」と求めています。

 独禁法上の問題点について公取委は、本部が時短営業の協議を一方的に拒絶する場合は「優先的地位の濫用に該当し得る」と解説。十分な情報開示を行わなかったり、虚偽や誇大な開示をしたりして優良な募集だと誤認させた場合には「ぎまん的顧客誘引」にあたると指摘しています。

共産党は提言

 日本共産党は昨年6月に「加盟店の営業と権利を守り、コンビニ業界の健全な発展をはかるため、コンビニ・フランチャイズ法の制定を」と題する党国会議員団の緊急提言を発表。▽営業時間・日数の強制を禁止▽本部が既存店の近隣に出店することを原則禁止▽人件費の上昇などに応じたロイヤルティー見直しの機会を設ける▽特異な「コンビニ会計」をやめさせる▽本部の恣意(しい)的・一方的な更新拒絶は認めない▽行政による監視・指導体制を確立する―を提言しています。


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