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2020年8月29日(土)

安倍首相 辞意表明

持病が再発 継続困難

「改憲」引き継ぎに執念

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(写真)安倍首相の記者会見を映し出す大型ビジョン=28日、東京都新宿区

 安倍晋三首相は28日、首相官邸で記者会見し、「病気と治療を抱え、体力が万全でない中、大切な政治判断を誤ることがあってはならない」と述べ、辞意を表明しました。新型コロナウイルスの感染拡大の収束が見通せず、深刻化する日本経済や国民生活の立て直しへの道筋もたたないなか、来年9月までの自民党総裁任期を残したまま退陣することになりました。第1次政権に続く、任期中の辞任です。

 安倍首相は、持病の潰瘍性大腸炎の再発によって職務継続が困難になったとして、「国民の負託に自信をもって応えられる状況でなくなった以上、総理大臣の地位にあり続けるべきではないと判断した」と述べ、辞意を表明。新型コロナ対策については、PCR検査等の検査能力の拡充などをあげ、「冬を見据えて実施すべき対応策を取りまとめることができた」などと述べました。

 さらに、安倍首相は、任期中の「成果」として、集団的自衛権の行使を可能にした安保法制=戦争法の制定などを誇りながら、「現下の厳しい安全保障環境を踏まえ、ミサイル措置に関する安全保障政策の新たな方針を協議した」として、ミサイルの発射基地を直接破壊する「敵基地攻撃能力」の保有について具体化を進めることに言及。改憲については、「任期中の改憲」を繰り返し発言してきましたが、「誰が総裁になっても当然、取り組んでいかれる」などと述べ、次期政権に引き継がせる執念も示しました。北朝鮮拉致問題、ロシアとの領土交渉も解決のメドがつかなかったことも「断腸の思い」などと述べました。

 一方、森友・加計学園や「桜を見る会」をめぐる“国政私物化”疑惑への説明責任については、「国会で相当、長時間にわたって答弁している」などと述べ、何も答えませんでした。


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