2020年8月23日(日)
「検査・医療強化なければ日本は多数の犠牲者生む」
英医学誌が日本政府に警告
英国医師会発行の医学雑誌『BMJ』は社説(18日付)で、日本政府の新型コロナウイルス対応の問題点を分析し、対策の変更がない場合、医療機関が危機にひんし、多数の犠牲者を生むと警告しています。
社説は、7月から8月にかけての感染再拡大に注目。「政府の初期の危機対処の失敗がパンデミックの全体的な影響を悪化させた」と述べ、とくに実験室検査を拡大する努力が不十分だったと指摘しました。このため、医師から多くのPCR検査依頼があっても保健所が断らざるをえず、市中感染や院内感染が増加したと紹介しています。
また、感染が急増した7月下旬に国内旅行キャンペーンを開始する一方で、公衆衛生上の問題に取り組むことを怠ったと指摘。PCR検査数は現在1日あたり4万件以下に限られ、「病院と隔離施設の容量は感染再拡大に対処するには不十分だ」と述べています。
社説は最後に、中央の調整された指揮のもとで、検査能力拡大、無症状者に対する広範な検査の実施、効果的な接触者追跡、検疫、医療関係者と患者を保護する資材の供給など一連の施策を提起。そのうえで「日本政府がクラスターに基づく対策から前述の原則に基づく対応に移行し…最先端の科学を展開しない限り、日本の医療は再び打ちのめされ、より多くの命が今後数カ月で不必要に失われるだろう」と厳しい見方を示しました。