2020年8月14日(金)
7月豪雨考えるシンポ
土木学会 被災地報告・対策を議論
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土木学会は13日、7月に九州各地に大きな災害をもたらした豪雨を考える「2020年梅雨前線がもたらした中国・日本の大水害シンポジウム」を開き、オンラインで公開しました。土木や気象の専門家が、球磨川や筑後川流域の被災地の現地調査の報告や、豪雨をもたらした気象の解説を行いました。
両河川の流域の被害については、土木学会の専門家が上流から下流まで綿密に現地調査しました。熊本大学の大本照憲教授は、球磨川流域で破壊された建物の状況や電柱、橋などに残された浸水の爪痕から浸水の高さを推定しました。
人吉市では1669年の水害を上回る浸水をした地域もあったことがわかったといいます。参加した研究者は、球磨川の氾濫で起きたことや、どういう対策を取るべきか活発に議論しました。
気象研究所の今田由紀子主任研究官は、偏西風の蛇行によって停滞していた梅雨前線に水蒸気が持続して流入するなかで、7月3~14日にかけて7県で1年間に降る量の約半分に相当する1000ミリを超える雨が降ったことなどについて解説。温暖化とのかかわりについての解析はこれからだが、ある程度関与しているという考えを示しました。
同時期に起きた中国の長江流域での豪雨について、上智大学の黄光偉教授が状況を報告しました。