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2020年8月10日(月)

核保有国は声を聴け

米国の会議 被団協・田中氏が訴え

 【ワシントン=池田晋】広島と長崎が被爆75年を迎える中、米国で核兵器の脅威をテーマにしたオンライン会議が8日、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中熙巳(たなか・てるみ)代表委員を招いて開かれました。田中氏は、被爆者と122カ国の支持を受けて核兵器禁止条約が2017年に採択されたことにふれ、「被爆75年の節目を迎える中、核保有国とその同盟国は世界の人々の声を聴くべきだ」と訴えました。

 オンライン会議「広島・長崎―決して忘れない」は、核の脅威や放射能の影響について啓発・調査活動を行うワールドライフ研究所が主催しました。

 田中氏は、13歳の時に長崎で「文字通り地獄」の被爆体験をしたことが50年以上に及ぶ反核運動の原動力になったと参加者からの質問に回答。「核兵器をなくすため、みなさんと力を合わせたい」と運動への合流を呼び掛けました。

 セントジョンフィッシャー大学のデビッド・ベル博士は、原爆を開発したマンハッタン計画によって「核の時代は、広島と長崎より前に、全米各地の施設で放射能汚染という人的被害とともに幕が開けた」と指摘。75年後の今も米陸軍による除染が国内10州で続き、住民の安全性に対する論争を生んでいると述べました。

 リンダ・シャクーア博士は、広島・長崎の原爆投下では、民間人の犠牲回避が全く考慮されておらず、今日の国際法下では違法に当たると話しました。

 田中氏には主催者から、人類貢献賞が贈られました。


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