2020年8月10日(月)
長崎平和式典
国連総長のメッセージ
9日の長崎平和式典で、国連の中満泉事務次長・軍縮担当上級代表が代読した国連のアントニオ・グテレス事務総長のメッセージ(大要)は、次の通りです。
私は、何十年にわたり健康、経済、社会的な苦難を耐え抜かれた、長崎の被爆者の方々に、心からの敬意を表します。原子爆弾の苦難にとらわれるのではなく、その逆境を転じ、核兵器の危険に警鐘をならし、人間の精神の勝利を世に示して来られました。
長崎の例は、世界にとって完全な核兵器廃絶を実現するため日々の動機となるべきです。しかし悲しいことに、この街が原子爆弾によって焦土と化した日から75年たった今、核兵器の脅威は再び高まりつつあります。
国際社会は、核戦争に勝者はなく、決して行われてはならないという認識に立ち戻らなければなりません。既存の核軍縮体制の崩壊に早急に歯止めをかける必要があります。核兵器を保有する全ての国は率先して取り組む義務があります。核軍縮のための共同の努力を再開すべく、第10回核兵器不拡散条約運用検討会議を活用しなければなりません。核実験に反対する規範を擁護しなければなりません。国際的な核軍縮体制を保持し、強化しなければなりません。
私は、新たにその重要な一部となる核兵器禁止条約の発効を心待ちにしています。
75年という長い歳月が過ぎたにもかかわらず、核兵器の恐ろしさと被爆者の方々から重要な教訓は学ばれていません。国際連合が、勇敢な被爆者一人一人のメッセージを受け継いでいくことを誓います。この歴史を明日の平和構築者である若者へ継承していくことは、私たちの責務でなければなりません。