2020年8月9日(日)
核兵器廃絶 行動共に
世界の平和団体 ネット集会
被爆者和田さん「声あげよう」
【ワシントン=遠藤誠二】広島・長崎の原爆投下から75年となるのを受けて、米国と世界の平和・反核団体が7日、オンライン記念集会を開催しました。日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)から和田征子事務局次長が参加し、核兵器廃絶にむけた取り組みへの参加を呼びかけました。
集会は、米国のピースアクション、同ニューハンプシャー支部、アメリカフレンズ奉仕委員会、貧者の行進、国際平和ビューロー、原水爆禁止日本協議会(原水協)、日本被団協などの共催。
ピースアクションのマーティン議長は、原爆投下75年を迎えるにあたり、安全保障問題の専門家から“原爆投下は必要だった”という「神話」が改めて流布されるのではと心配していたが、「今年はあまり聞かない」と指摘。米国の主要メディアも被爆者の体験や、「原爆投下は不必要で間違っていた。今こそ核軍縮に踏み出せ」という声を取り上げ始めていると紹介しました。
貧者の行進のテオハリス牧師(共同代表)は、「広島と長崎の原爆投下から教訓をくみ取ることは重要」だと述べるとともに、ばく大な軍事費を医療、住宅、教育、貧困対策、感染予防対策など「基本的な人間のニーズ」に回し、「戦争経済」から「平和経済」に転換する必要性を強調。「私たちはもう沈黙しない。一緒に学び組織し立ち上がり、正義と平和を築くため何ができるか学ぼう」と語りかけました。
長崎で被爆した和田さんは、母から聞かされた被爆体験と今なお続く被爆者の深い苦しみを証言。3年前に国連で採択された核兵器禁止条約(50カ国の批准で発効)は批准が43カ国まで進み、「被爆者に多くの希望をもたらしている」と指摘し、ヒバクシャ国際署名の活動について「社会の一員、尊厳ある人間、平和をつくる者として、核兵器廃絶にむけ、声をあげてもらいたい」と呼びかけました。