2020年8月4日(火)
モザンビークODA中止 市民団体会見
市民社会の連帯の勝利
井上議員が発言
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モザンビークの市民社会を分断してきた日本の政府開発援助(ODA)・プロサバンナ事業の事実上の中止を受け、日本の市民団体が3日、国会内で記者会見を開きました。現地市民とともに事業中止を求めてきた日本国際ボランティアセンター(JVC)の渡辺直子氏は、「国際的連帯による市民社会、市民運動の勝利だ」と語りました。
同事業は、小農が大部分を占める同国の農業を低生産と決めつけ、大規模化し輸出用穀物の一大生産拠点とする構想としてスタート。これまで税金35億円が投じられてきました。
渡辺氏は、同事業が同国で起きている土地収奪の動きを加速するとの現地小農の訴えに応え、日本の市民社会や超党派の国会議員が連携して外務省などに中止を求めてきた経過を報告しました。
同国最大の農民組織・全国農民連合(UNAC)のコスタ・エステバン氏も電話で会見に参加。事業中止を歓迎しつつ、「いつ新たな土地収奪の動きが出てくるか分からない。油断せず、守った土地の生産をあげていきたい」と語りました。
国会で繰り返し同事業を追及してきた日本共産党の井上哲士参院議員があいさつ。2009年に麻生太郎首相(当時)が合意書を交わしたことから始まり、14年に安倍晋三首相が日本の首相として初めて同国を訪れて推進を表明するなど“首相案件”として進んできた経過を紹介し、「中止の意義は大きい。安倍政権が掲げる『国益重視』のODAではなく、現地の声を反映し、現地の発展に寄与するODAにしていきたい」と表明しました。社民党の福島瑞穂党首、立憲民主党の石橋通宏、牧山弘恵両参院議員も参加しました。