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2020年8月3日(月)

経路不明 全国で増加

感染者の半数超す

市中拡大 加速の危険

 新型コロナウイルスが急拡大している問題で、感染経路が不明の感染者が全国で増加しています。厚生労働省の専門家組織の資料では、全国で感染者の50%以上が経路不明です。どこで感染したか分からない感染者の増加は、市中にウイルスが広がってきていることを示しています。

 厚労省のアドバイザリーボードが7月30日に公表した資料によると、7月18~24日に感染が確認された4704人のうち半数を超える54%が経路不明でした。

 感染が拡大している都道府県では、7月23~29日の1週間で軒並み経路不明が増えてきています。東京都は直近1週間の新規感染者数が1807人で、経路不明が59%にあたる1078人です。前週の53%から増えています。

 都内では「夜の街」関連の感染者は10%にとどまっており、経路不明が市中に広がってきたことがうかがえます。

 首都圏では埼玉県が75%、神奈川県が63%、千葉県が52%といずれも半数を超えています。

 政府はクラスター(感染者集団)を追跡することで感染拡大を遅らせる方針をとっています。感染経路不明が増えれば、追跡が困難になり、市中への拡大がいっそう広がる危険性があります。

 首都圏とともに深刻なのが関西です。大阪府は直近1週間の経路不明が658人で67%。前週の63%から増えています。兵庫県は比率が減ったものの、人数は前週比56人増となる146人でした。

 とくに愛知県は前週と比べ経路不明の増加が顕著です。直近1週間では417人(62%)で、前週の85人(38%)から急増しています。福岡県も252人(55%)と増加。感染が地方の大都市部に広がっている状況です。

 また政府の専門家会議が緊急事態宣言を解除する際、再指定する指標の一つとした人口10万人当たりの感染者数も深刻な状況です。専門家会議は人口10万人あたり2・5人を目安としました。

 政府の専門家らによる分科会(7月31日)の資料によると、7月29日までの1週間で、全国平均は4・88人。最も高いのが東京で12・98人、2番目が大阪で11・23人と目安を大幅に超えています。

 厚労省アドバイザリーボードは7月30日の会議で「感染経路不明の感染者も増加している」と評価。「新規感染者数を減少させるための迅速な対応が求められる状況になっている」と指摘しています。

グラフ

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