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2020年7月27日(月)

やまゆり園事件4年

“生きていることのすばらしさを” 犠牲者悼み社会に問う

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(写真)献花台に花を手向け、手を合わせる人たち=26日、相模原市緑区

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所していた19人が刺殺された事件から4年の26日、園内の献花台には、犠牲者を悼んで花を手向け、手を合わせる人の姿が絶えませんでした。

 新築・改修工事中の旧園舎には足場が組まれています。工事は来年4月に完了の予定。

 事件に胸を痛めて毎年訪れている東京都八王子市の女性(45)は10歳の長女とつくった折り鶴と「19人の命を忘れません」と書いたカードを花束と一緒に供えました。「罪のない人が殺された残忍な事件。忘れてはいけないねと、子どもと話しています」と静かに語りました。長女は「生きていることはすばらしいこと。自分のことも大事にしたい」と話しました。

 地元・相模原市の女性(70)は「立派な建物ができ、また利用者のみなさんが帰ってきますと手を合わせました」。難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患う女性が本人の依頼で殺害され、医師が逮捕された事件に「悔しい。家族の気持ちを思うと納得できない」と声を震わせました。

 家族に障害者がいる女性(50)=同市=は「生産性や役に立つかでなく“生きているだけでいいんだよ”という社会でなければ、今回の嘱託殺人や、やまゆり園のような事件は無くならない」と力を込めました。

 「共に生きる社会を考える会」共同代表で元同園職員の太田顕さん(77)は「新しい園を『福祉学習』の拠点にし、事件を風化させない取り組みをしたい」と展望を語りました。「事件を起こした植松聖死刑囚は未熟な人格だったと思う。植松死刑囚には優生思想を乗り越えられるよう育む環境がなかった。地域や自分の中にある優生思想的なものに向き合っていきたい」


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