2020年7月16日(木)
コロナ禍に続き豪雨
藤野議員 打撃二重 直接支援を
日本共産党の藤野保史議員は15日の衆院予算委員会で、新型コロナウイルス危機をめぐって、豪雨災害で「二重の打撃」を受けた西日本各地の被災地支援や、「医療崩壊」を防ぐための抜本的な財政支援、感染防止対策の“大きな穴”となっている在日米軍への対策をただしました。
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藤野氏は、豪雨被害が大きかった熊本県人吉市や球磨村の現地調査をふまえ、国が感染防止のため「分散型避難」を呼びかける一方で、避難先の親戚宅や自宅に支援物資が届いていない状況があると指摘しました。内閣府が10日付で在宅避難者などへの「プッシュ型支援」を求める通達を自治体に出したものの、「このままでは通達が掛け声だけになりかねない」と述べ、改善を求めました。
さらに藤野氏は、コロナ禍に続く「二重の打撃」で、「コロナで目いっぱい借金して『もう借りきらん』という人が多い。店を辞めてしまう人が多くなるのでは」(ホテル経営者)という悲痛な訴えが寄せられたと紹介。「心が折れないよう迅速な支援が必要だ。『もう借りられない』のだから直接的補助も含め、現場で必要なすべてのことをやる立場で全力を尽くすべきだ」と迫りました。
平将明・内閣府副大臣が融資制度の保証枠の拡大を説明したのに対し、「融資だけでなく直接的支援など、すべてやるべきだ」と強調しました。
医療者 財政面で支えよ
新型コロナへの対応や受診抑制で深刻な打撃を受けている病院経営をめぐり、藤野氏は日本医労連の調査で、34・5%の医療機関が夏のボーナスを減額するとしたことをあげ、「医療従事者は命がけで治療や感染予防にあたっている。賃金カットなどあってはならない。放置すれば退職者が続出し、肝心のコロナ対策も崩壊しかねない」と指摘。新潟県内の公的病院が患者の急減で3億5千万円も収益が減少した実態を紹介し、受診抑制による大幅減収の補てんを求めている医療機関の声に応えるべきだと迫りました。
橋本岳厚労副大臣はボーナスカットについて「一義的には各医療機関の経営判断だ」と弁明。西村康稔経済再生担当大臣は、第2次補正予算での支援を「着実に執行している」と述べただけで、減収補てんには触れませんでした。
藤野氏は、「ベッドや人工呼吸器という『モノ』に余裕があるかどうかではない。それを動かす何十人もの『人』が精神的にも肉体的にもぎりぎりの状態になっている」と述べ、財政面での下支えを重ねて求めました。
米軍感染 基地の閉鎖を
藤野氏は、「コロナ対策で大きな穴になっているのが米軍関係者だ」と述べ、在沖縄米軍基地で100人を超え感染者が広がっている問題を追及。玉城デニー沖縄県知事が国に要請した、クラスター(感染者集団)が発生している普天間基地とキャンプ・ハンセンの閉鎖、米国本土からの米軍関係者の異動中止などを「早急に実施すべきだ」と迫りました。
さらに藤野氏は、米国は感染者が340万人に上る世界最大の感染国であり、米国民は日本に入国できないのに、なぜ米軍関係者は基地を通じて入国できるのかと述べ、「米軍ルートという“穴”を放置したら国民の命が危険にさらされる認識があるか」とただしました。
西村担当相は、外務省や防衛省で「(感染拡大)防止に取り組んでいただきたい」などと述べるだけ。藤野氏は「人ごとのような答弁だ」と批判し、「政府が国民の命や健康を本気で守る気があるのかが問われる」と強調しました。