2020年7月9日(木)
サーロー節子さん 各国首脳に手紙
「核兵器禁止条約 批准を」
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広島市出身の被爆者で、カナダ在住のサーロー節子さん(88)は、世界197カ国の首脳に核兵器禁止条約の批准や推進を求める手紙を送りました。ノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の被爆75年キャンペーンの一環として、ICANを代表して書いたものです。
安倍晋三首相にあてた6月24日付の手紙は、唯一の戦争被爆国の日本政府が禁止条約への署名・批准を拒んでいることは「被爆者の一人として裏切られた気持ち」と批判し、被爆75年にあたって政策を転換し、禁止条約への署名・批准に取り組むよう求めています。
手紙はまた、13歳での被爆体験をつづり、「非人道的、非道徳的で残酷な私たちの体験を他の誰一人にもくり返させてはならない」と強調。「日本が、自国の安全のためには核兵器による保護が必要であると恥ずかしげもなく公言し続けることは、核兵器廃絶のために行われているあらゆる努力を台無しにするものです」と指摘し、「日本は、自らの歴史的、世界的、道徳的責任を自覚し、核兵器に依存した政策と決別しなければなりません」と訴えています。