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2020年7月8日(水)

釣り船右転視認せず

海自おおすみ訴訟 元艦長認める

 海上自衛隊の大型輸送艦「おおすみ」(8000トン)が瀬戸内海の広島沖で2014年1月15日、釣り船「とびうお」(5トン未満)に衝突し、船長と釣り客ら3人が死傷した事件で、遺族らが国を相手に起こした損害賠償請求裁判の第21回口頭弁論が7日、広島地裁(谷村武則裁判長)で開かれました。

 被告側証人として、事件当時のおおすみ艦長の田中久行氏ら4人の乗組員が証言。原告、被告双方の代理人の尋問に応じました。

 裁判で原告は、おおすみが、とびうおの針路を「横切り」、衝突のおそれのある危険をつくりだしたとして衝突回避の義務があった、と主張。被告の国は、とびうおの右転が衝突原因と指摘、原告の請求棄却を求めています。

 田中元艦長は、国の主尋問に、衝突前にとびうおの操船ぶりを視認し、「私は非常に危険を感じた」と証言しました。

 原告側は、国側の「とびうお右転が衝突の原因」の根拠に迫りました。

 「とびうおの右転を見たのか」との原告側の追及に田中元艦長は「急速に接近したのを見ている」と強弁。「曲がるところを見ているのか」と迫る原告側に「点と点を結んでの実感だ。(右転する)船体は見ていない」と視認していないことを認めました。


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