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2020年7月8日(水)

株式時価総額 「公的マネー」12%に上昇

株価買い支え ゆがむ市場

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日本銀行を合わせた「公的マネー」が日本の株式時価総額に占める割合が急上昇し、11・9%に達したことが分かりました。(垣内亮 日本共産党政策委員会)


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 GPIFは3日、2019年度の業務概況書と合わせて、20年3月末時点の運用資産の銘柄別内訳を公表しました。3月末時点の運用資産額150・6兆円のうち、「国内株式」は35・3兆円となっています。この金額の一部に含まれている不動産投資信託(J―REIT)や、株式の未収配当金分などを除いた純粋な株式価格分を計算すると、34・8兆円です。これは1年前に比べて約3兆円減っています。

 しかし、新型コロナウイルス流行による株安で、日本全体の株式時価総額も1年前の621兆円から、548兆円へと大きく減少しました。この結果、GPIFの保有株式が時価総額に占める割合は、6・1%から6・3%に上昇しました。

 一方、日銀は、株価対策のために株価指数連動型上場投資信託(ETF)の大量購入を続け、特に3月には1カ月で過去最高の1・5兆円を購入しました。この結果、日銀が間接的に保有する株式の価格が時価総額に占める割合は、急上昇しています。GPIFと日銀を合わせた「公的マネー」の割合は、最近の1年間で1・2ポイントも上昇し、11・9%に達しています。

 この間、コロナ禍で世界経済が低迷する中で、株価だけがコロナ禍以前の水準を取り戻しつつあるという、異常ともいうべき状況が生まれています。その背景には、世界各国の中央銀行が金融緩和策をとって、市場に大量のマネーを供給していることがあります。日本の場合には、それと合わせて、「公的マネー」を使った露骨な株価の「買い支え」が働いているのです。


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