2020年6月29日(月)
武器の購入先「米政府」突出
19年度 井上氏に回答
陸上イージスなど膨張 前年度1.7倍
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防衛省の2019年度中央調達(武器や燃料などの購入)のうち、米政府の武器輸出制度であるFMS(有償軍事援助)に基づく契約額が、18年度の4000億円から6869億円に大きく膨らみ、三菱重工をはじめとする他の軍需企業との契約額と比べて突出していることが明らかになりました。同省が28日までに、日本共産党の井上哲士参院議員に回答しました。
安倍政権の異常な「アメリカ言いなり政治」の下、トランプ米政権の圧力による米国製高額武器の“爆買い”が進められ、米政府や米軍需企業に日本国民の多額の税金がつぎ込まれています。さらに、FMSの下では、武器の価格も納期も、米政府の見積もり次第となっているため、大きな財政的負担を強いられています。
FMSに基づく武器輸入で、以前は1千億円台だった契約額が、15年度には4412億円に膨張し、三菱重工などの企業を初めて抜きました。米国政府との契約額は、以来5年連続でトップとなっています。19年度は、技術的・財政的に不可能だとして配備断念となった、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」やF35Aステルス戦闘機の導入費が、増額の大きな要因になっています。
ほかに、米国製の主要品目として、▽空中給油輸送機KC46A▽E2D早期警戒機▽SM3迎撃ミサイル▽無人偵察機グローバルホーク―などがあります。
トランプ大統領は、同盟国は自衛力を強め、米国に協力すべきだとして、日本や韓国に軍事費の大幅増額を要求し、応じなければ「同盟を破棄する」などと、脅しを強めています。その一環で「バイ・アメリカン(米国製品を買え)」を主張し、米国製兵器購入を迫るトランプ政権に言いなりになった結果です。