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2020年6月26日(金)

国保料 3割減収で減免

全商連、制度活用呼びかけ

“国が補填”倉林氏質問の成果伝え

 国民健康保険料・税の納付通知書が届く時期になり、新型コロナウイルス禍で収入が減っている加入者から「高すぎて払えない」という声が相次いでいます。国民の声に押され、国は昨年度比3割以上の減収が見込まれる世帯への減免制度を創設。全商連・民商は「制度を活用し、生活と営業を守ろう」と取り組みを進めています。(青柳克郎)


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(写真)福岡県商工団体連合会が県に対し行った、コロナ対策の拡充を求める要請。右端は岩下幸夫会長=6月3日(福商連提供)

 国は4月、「主たる生計維持者」の収入が今年3割以上減ると見込まれる世帯に対して自治体が国保料・税を減免(20~100%)した場合、その分を国庫で補填(ほてん)する制度を創設しました。

 「これまでたくさんの花を納入していた大学や病院の需要が激減し、4月の売り上げは昨年比4割減。5月は母の日の影響で少し持ち直しましたが、6月はまた落ち込み、昨年の半分です。夫婦で年44万円もの国保料を払っては店を続けられない。減免されれば本当に助かります」

 福岡市南区で34年間、生花店を営む男性(68)が話します。

 約32万人が国保に加入する福岡市。南区で活動する南福岡民主商工会は、会員向けのニュースで減免制度を知らせ、申請を促しています。7月には大規模な行動を計画。3000枚のビラを用意し、商店街訪問やポスティングなど全業者規模で制度を知らせ、相談を呼びかけようと構えています。

「支援の対象」に

 取り組みの力になっているのは、日本共産党の倉林明子議員が16日の参院厚生労働委員会で行った質問です。倉林氏は「結果として3割減にまでならなかった場合でも、国は減免の取り消しや返金を求めたりしないということで良いか」と迫りました。

 加藤勝信厚労相は「(3割以上の減収にならなくても)財政支援の対象になる」と明言。この答弁により、自治体は減免による負担を気にせず申請を受け付けられるようになりました。全商連が19日、コロナ対策として緊急の国保料・税の減免を厚労省に要請した際も、担当者は同趣旨の回答をしました。

 「高すぎる国保料・税で苦しめられてきた国保加入者にとって、これは画期的な成果です」と、福岡県商工団体連合会の吉原太郎事務局次長は話します。「大臣や厚労省の見解が現場まで徹底され、県内60の自治体が実際に、柔軟に減免を実施するよう、地域の社会保障推進協議会とも連携して注視していきたい」

制度周知へ運動

 全商連は厚労省の回答をニュースにし、全国の都道府県連に徹底。「主たる生計維持者」の範囲や、申請期限や収入を証明する書類、すでに納付した国保料・税の扱いなど、自治体の判断としている部分も多くあることから、加入者の利益となる運用を求め、引き続き各自治体に改善を求めていくこととしています。

 民商会員や地域の中小業者に広く制度を知らせ、学習会や集団申請に取り組むことを呼びかけています。


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