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2020年6月23日(火)

ブースター落下 性能求めず

陸上イージス 井上氏に防衛省認める

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(写真)質問する井上哲士議員=22日、参院決算委

 陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」について、防衛省の中村吉利地方協力局長は22日の参院決算委員会で、2017年の導入決定にあたり、迎撃ミサイルの推進装置ブースターを配備地の演習場内へ確実に落下させることが「要求性能」に含まれていなかったことを認めました。日本共産党の井上哲士議員への答弁。

 同省は、ブースターが演習場内に確実に落下できないとして配備計画を停止しました。井上氏は「米国に求められてイージス・アショア導入を決めたが、危険性をまともに認識していなかったということだ」と厳しく批判しました。

 井上氏は、18年6月の防衛省による住民への説明資料にはブースター落下についての記載がなく、住民から危惧の声が出されて初めて米側と協議を始めたのではないかと指摘。河野太郎防衛相は、18年8月の説明会でブースター落下について説明し、その間に米側と協議を始めたと説明しました。

 井上氏は、19年5月の住民説明会資料にある「ブースターの落下位置を予(あらかじ)め計算することができます」との記載が「米側との合意内容か、その判断はいつ米側から示されたのか」と追及。河野氏は、ソフトウエアの改修で演習場内に落下できることが「わが方としてそういう認識に至った」と答弁し、米側の明確な保証がないまま説明していたことが浮き彫りになりました。

 井上氏は、ルーマニアにある米軍のイージス・アショア基地司令官が秋田魁新報の取材にブースターの落下位置の制御について「100%想定の範囲内に収まるとは言えない。最も確実な安全策は、基地の周りに住宅をつくらないことだ」と答えていることを紹介。「ブースター落下の危険性を考慮しないまま、住宅地周辺に設置計画を決め安全かのように説明してきた責任は極めて重い」と述べ、計画撤回を求めました。


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