2020年6月19日(金)
河井前法相夫妻を逮捕
現金2500万円渡す 参院選で買収容疑
昨夏の参院議員選挙で地元議員や首長らに票の取りまとめを依頼し、現金計約2570万円を渡したなどとして、検察当局は18日、衆院議員で前法相の河井克行容疑者と妻で参院議員の案里容疑者=夫妻とも自民党を離党=を公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕しました。いずれも現職国会議員で、しかも法務省のトップ経験者と妻が検察に選挙違反で逮捕される異例の事態となりました。
克行容疑者は安倍晋三首相に近く、案里容疑者が参院広島選挙区に自民党公認候補として立候補した背景には、党本部の強い後押しがあったとされます。党総裁でもある安倍首相の政治責任が問われます。
逮捕容疑は、案里容疑者が初当選した2019年7月の参院選をめぐり、両容疑者が共謀して同年3月下旬ごろから6月中旬ごろまでに、5人に票の取りまとめを依頼し、報酬として5回にわたり計170万円を提供した疑い。
また、克行容疑者は同3月下旬ごろから参院選後の8月上旬ごろまでの間に、91人に票の取りまとめを依頼し、報酬として116回にわたって計約2400万円を提供した疑い。
参院選前には党本部から両容疑者が代表を務める党支部に、異例の計1億5000万円の資金が振り込まれたことが明らかになっています。多額の買収資金と本部からの資金の関係など、疑惑の全体像の解明が求められます。