2020年5月26日(火)
「診療報酬30%超減少」
保団連アンケート 医療機関の4分の1
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全国保険医団体連合会(保団連、住江憲勇会長)は25日、新型コロナウイルス感染症拡大の影響について、会員医療機関を対象に行ったアンケートの一部集計結果を公表しました。感染が拡大した4月、外来患者数が前年よりも30%以上減ったと回答した医療機関は約3割に上ったことが分かりました。
アンケートは、医科と歯科を分け、各保険医協会(医科23都道府県、歯科21都道府県)を通じて実施。4月30日~5月14日に約5600件の回答が寄せられました。
患者数の減少は、医療機関の収入源である診療報酬に直結します。集計済みの3684件のうち、4月の診療報酬が30%以上減ったとの回答は4分の1に達しました。
同日、厚生労働省内で会見した住江会長は、受診患者数の減少に伴う減収・経営難から、「閉院を考える」との声も寄せられていると強調。第2次補正予算編成に向けて、医科・歯科医療機関を経営破綻させないために減収分を全額補てんするとともに、希望する医療機関には、前年度診療報酬支払額に基づく概算請求を国が認める必要があると訴えました。
歯科代表の宇佐美宏保団連副会長は「医科と比べもともと、診療報酬が低い歯科はより厳しい。そのうえ、9割以上の歯科診療所で患者が減っている」と指摘。口腔(こうくう)ケアは、体全体の健康維持に重要であるほか、ウイルス感染予防にも効果があるとして、歯科治療は感染リスクが高いとした風評被害を払拭(ふっしょく)する必要性を訴えました。