2020年5月22日(金)
演劇・音楽・映画関係者ら共同行動
芸術・文化 欠かせない 「復興基金」創設を訴え
志位・枝野氏 自民議員参加
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国や自治体からの補償なき自粛要請から芸術・文化を守ろうと演劇、音楽、映画関係者らが共同して21日、ネット上でシンポジウムを開きました。各界の代表や俳優、アーティストらが参加。文化は、この国に住む人たちにとって欠かすことのできない社会的基盤であると語り、国に対して「文化芸術復興基金」の創設を求めていこうとアピールしました。
エッセイストの小島慶子さんが司会を務め、劇作家の瀬戸山美咲、映画監督の諏訪敦彦、日本劇団協議会専務理事の福島明夫、俳優のラサール石井、ミュージシャンの篠田ミルの各氏ら多彩な人たちが発言しました。
福島さんは、ボランティアにも支えられながらこの間頑張ってきたが、このままでは「根こそぎやられる危機感を感じています。基金をつくり(劇団、劇場を)支援していきたい」と語りました。
諏訪さんは、文化的な生活を守ることは日本国憲法も求めていると指摘。「他国では、平時から芸術・文化を守る制度があります。日本もコロナ禍をきっかけに、国として芸術・文化をしっかり支え、守ってほしい」と語りました。
ラサールさんは、11月までの公演がすべてキャンセルになり、役者だけでなく技術者の仕事もなくなっていると訴え。多くの人がコロナ後もこの業界にいることを諦めないよう「何らかの補助や援助が必要です」。
政党から、日本共産党の志位和夫委員長、立憲民主党の枝野幸男代表、自民党の伊藤信太郎衆院議員が参加しました。
「演劇緊急支援プロジェクト」「#SaveOurSpace」「#SAVE the CINEMA」の3団体が共同してつくる「#We Need Culture」が主催し、メディア有志でつくる「Choose Life project」が配信しました。
文化芸術に対する考え方の転換を 政治が補償に責任を果たすべき
志位委員長が強調
志位委員長は、ドイツの文化大臣が「文化芸術はぜいたく品ではなく必要不可欠」と述べたことを紹介し、「文化芸術に対する考え方を変える必要があります」と強調しました。
イベント関係で自粛要請の影響で約3300億円の被害が出ているとの推計も紹介し、「歯を食いしばって頑張っていただいた方々に対して、政治が補償する責任を果たす必要があります。文化を土台で支えている人たちに対し、イベントは中止をといってきた政治が特別の責任を果たさないといけない。基金は大賛成で私たちも協力していきたい」と述べました。
さらに音楽には、人を鼓舞したり勇気づけたりするとともに、くじけそうなときには“逃げ場”を提供するシェルターの役割も果たすなど、文化・芸術、スポーツにはかけがえのない役割があると指摘。「人間が生きていく上で不可欠のものだと位置づけて、コロナ危機から守りぬいていく必要があります。一回なくなれば再生が難しい。絶やさないことを政治の力でやらなければなりません」と強調しました。
文化芸術振興議連事務局長も務める自民党の伊藤信太郎衆院議員が、1000億円規模の支援を提起していると述べたのを受けて志位氏は「1000億円単位の規模が必要です。ミニシアターやライブハウスがつぶれていいと思う人はいません。1000億、2000億単位の支援が必要です」と述べました。
立民の枝野幸男代表は、憲法25条に健康で文化的な最低限度の生活保障と明記されているとのべ、「文化のベースを支えるのは国の責任。文化の位置付けを変えるチャンスにしたい」と述べました。