2020年5月19日(火)
未成年や一時保護児童も特別給付金受け取れます
対応の誤り 総務省が是正通知
「未成年や一時保護児童には支給できない」―1人10万円の特別給付金をめぐり誤った行政対応が各地でおこりました。日本共産党は相談活動を行うとともに、支援団体と連携し、給付金をめぐる事務連絡の改善を政府に要望してきました。
このもとで15日、総務省から新しい事務連絡と自治体向けQ&Aが発出され、未成年も一時保護児童も給付金を受け取れると明記されました。
虐待などさまざまな理由で家を出て知人宅やネットカフェで過ごしたりして自活している10代たちが、コロナ禍で「バイトがなくなった」「食べる物がない」などの窮地に陥っています。若年女性の支援にとりくむ一般社団法人Colabo代表の仁藤夢乃さんのもとには、3月から290人以上の相談があり、給付金については5月に入って5日間で約40人から相談があったと言います。
4月28日の総務委員会で日本共産党の本村伸子衆院議員がDV・虐待被害者への給付金支給を質問。高市早苗総務相はホテルなどへの一時的避難で「可能」と答弁しました。翌29日には予算委員会で立憲民主党の蓮舫参院議員が、Colaboに相談を寄せる10代女性の実態を示し、「こうした人たちに給付金が届くように」と質問。高市氏は「必ず届くよう措置」していると答弁しました。
支援者の声や国会質問が力となり、総務省は5月1日に事務連絡と自治体向けQ&Aを発出。虐待被害者への支給とともに、民間の支援団体も手続きに必要な「確認書」の発行や代理申請ができると通知しました。
この通知や国会答弁に基づけば未成年や一時保護児童も給付金を受け取れることは明らかでしたが、現場には不理解が残りました。そのため15日、再度の事務連絡とQ&Aで明文化したのです。
ある10代女性は親から虐待を受け自立援助ホームに入所していますが、当初、「一時保護だから支給できない」とケースワーカーに言われました。相談を受けた党議員らが、国会答弁なども示して自治体にかけあい、受け取れることになりました。
党子どもの権利委員会責任者の梅村さえこ・衆院比例北関東ブロック予定候補は、「日々多くの事務連絡が出され、現場の職員が知らずに対応している場合があります。周知とともに、児童福祉司、ケースワーカーなどの抜本的な増員も必要です。すべての子どもの権利が保障されるよう、引き続き国に求めていきます」と語っています。