2020年5月15日(金)
原水爆禁止2020世界大会
成功へ“賛同・支持を” 実行委訴え
人類と地球の未来のため
原水爆禁止世界大会実行委員会が8日発表した、原水爆禁止2020年世界大会(オンライン)支持・賛同の訴えを紹介します。
核兵器のない平和で公正な世界を求める内外のみなさん
私たちは、広島と長崎への原爆投下から75年にあたる8月6日と9日を中心に、「被爆者とともに、核兵器のない平和で公正な世界を―人類と地球の未来のために」をテーマに原水爆禁止2020年世界大会をオンラインで開催します。
草の根から連帯
私たちは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大とたちむかいながら、原水爆禁止運動の役割をどう果たすのか、議論をかさねてきました。そして、多くの人々が集えない困難な状況のもとでも、被爆者とともに、あらゆる手段をつくして核兵器廃絶を世界に訴えることを決めました。私たちは、この世界大会を制限、縮小を余儀なくされたものとは考えません。新しい条件と可能性をくみつくして、これまで以上に力強く、そして世界のより多くの人々に発信する大会として成功させる決意です。
大会では世界の反核運動の英知を結集して、今後の運動方向をしめしたいと思っています。そのための国際会議をオンラインで開催します。核兵器廃絶をめざす諸国政府、国連の代表も招待します。さらに、草の根からの国際的な連帯行動として、「平和の波」―核兵器廃絶を共通の目標とし、「ヒバクシャ国際署名」を共通の行動として、地球の自転に合わせて世界をまわる草の根の共同行動―を大会と呼応しておこなうことを呼びかけます。
内外のみなさんが、このよびかけに賛同し、参加を準備され、また、それぞれの国や都市、地域で実情に応じた多彩で創意的な行動を計画されるよう呼びかけます。
ことし2020年は、広島・長崎への原爆投下から75年、そして、世界が3度の戦争の惨害を防ぐことを決意し、国連を創設してから75年の節目に当たります。1946年1月、第1回国連総会は「各国の軍備から原子・大量破壊兵器の一掃」を決議し、戦後政治の方向を定めました。
国際政治の現実は、世界が一致して定めた目標とかけ離れています。核軍備競争の結果、世界にはなお1万4000発を超える核兵器が蓄積、配備されています。アメリカなど核大国は、自国の利益第一を主張し、核軍備の近代化・増強を続けています。世界の軍事費は史上類例のない1兆9170億ドル(約200兆円)にも達し、なお増え続けています。世界中の人々が、気候変動や新型コロナ問題、社会的経済的格差・貧困など、危機に直面しているさなかにです。
コロナ対策必要
国連のグテレス事務総長が、「世界のあらゆる場所での即時停戦」をよびかけたように、いま緊急に求められるのは、「自国優先主義」などの対立や分断ではなく、国際協調と連帯です。紛争と戦争をやめ、核兵器をなくし、軍事費を削減し、新型コロナ対策、市民の生活、雇用・営業の支援を―この大きな平和と共同への転換、国連憲章の平和秩序に立つジェンダー平等で公正な、持続可能な世界が求められています。
いま、日本がなすべきことは、アメリカの核軍拡を支持し憲法改悪やアメリカ言いなりに戦闘機や迎撃ミサイルシステムを「爆買い」することでなく、沖縄の辺野古に米軍のための基地を造ることではありません。唯一の被爆国として核兵器禁止条約に入り、核兵器のない世界の実現のために先頭に立つことです。
友人のみなさん
4月25日、史上はじめてオンラインで開かれた世界大会(世界大会「核兵器廃絶、気候危機の阻止と反転、社会的経済的正義のために」)は、世界が新型コロナウイルスの脅威に直面するもとで、強く求められているのは、分断や対立ではなく、市民社会を含めた国際的共同であること、活動が困難な時でも世界の市民がつながれば、大きなメッセージを発信できることを示しました。
この流れを生かし、被爆国の反核運動の共同をいっそう発展させましょう。
8月の2020年世界大会が、新たな共同を切り開く大会となるよう、「ヒバクシャ国際署名」をはじめ、多彩で創意的な活動を展開しようではありませんか。