2020年5月13日(水)
科学の警告聞き 核廃絶を
NPT締約国に要求 世界の84団体共同声明
【ワシントン=池田晋】4~5月にニューヨークの国連本部で予定されていた核不拡散条約(NPT)再検討会議が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)で延期されたことを受け、日本を含む世界各地の計84の反核・平和団体は11日、核兵器廃絶へ前進するため、この延期の機会を利用するようNPT締約国に求める共同声明を発表しました。
声明は、科学者らによる長年の警告を無視してきた「政治の怠慢」のために、コロナ危機が世界中に拡大していると指摘。核兵器でこうした世界的危機を繰り返さないために、「国民よりも利益と強者を優先する『安全保障』政策の名の下、科学を無視してはならない」と強調しています。
具体的には、NPT締約国に対し、軍縮先送り論を克服し、「核兵器の完全廃絶」を中心とする過去の再検討会議の合意の履行に向けて前進するため、会議の延期期間を活用するよう要請。会議を前進させるには国際社会の大胆で新たな指導力が必要だとし、核兵器禁止条約の存在が「大きく貢献する」とも言及しています。
共同声明には、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)や婦人国際平和自由連盟(WILPF)といった国際団体のほか、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)、原水爆禁止日本協議会(原水協)、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)などが名を連ねています。