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2020年5月11日(月)

海自ジブチ基地 優遇

「戦力回復」予算 3億1500万円投入

 米軍支援の一大兵たん化を目指す自衛隊の中東派兵の拠点ジブチ基地に、「戦力回復」として特別に優遇する予算を投入していることが、情報開示請求で入手した防衛省の資料で10日までに明らかになりました。

 この部隊は、アフリカのソマリア沖、アデン湾での海賊対処行動に加え、中東での「情報収集活動」を名目に派遣されている海上自衛隊のP3C哨戒機、護衛艦部隊です。

 この予算は「戦力回復に必要な宿泊施設の借上経費」。宿泊施設は派遣先にあるホテルです。防衛省は「厳しい環境下での任務に伴うストレスを解消するための休養を取得することにより戦力が回復するとの考え方から『戦力の回復』と記載している」と説明しています。

 適用範囲は国外に限られ、海自がこれまで戦力回復予算を投入してきたのは、ジブチ基地を拠点にした「海賊対処行動派遣部隊」のみ。艦艇乗組員などで24時間態勢業務の海賊対処行動要員などに従事する海自隊員です。

 防衛省は、借り上げ宿泊経費の実績について、本紙の取材に総額3億1500万円(2014年度から18年度)と回答。20年度予算は、単年度としては過去最大の9200万円です。

 ジブチ基地は11年に、ソマリア沖、アデン湾での海賊対処行動を理由に開設され、護衛艦2隻、P3C哨戒機2機などが常駐し、海自と陸自の隊員560人が駐留。海賊事件は15年以降、ほとんど発生していません。

 安倍政権は、戦争法成立をきっかけに、ジブチ基地を米軍主導の「有志連合」を対象に対テロ戦争の共同作戦など海外軍事拠点にする具体化を進めています。(山本眞直)


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