2020年5月11日(月)
コロナ災害乗り越える
解雇相談・納税や住宅ローンどう対応?
クレサラ対協 オンライン学習会
多重債務や貧困問題の対策に取り組んでいる市民団体「全国クレサラ生活再建問題対策協議会」(クレサラ対協、代表幹事・木村達也弁護士)が10日、「コロナ災害を乗り越える いのちとくらしを守る緊急学習会」をオンラインで開き、300人余が参加しました。
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新型コロナウイルス感染拡大から市民生活を守るため、クレサラ対協が持つ経験とノウハウの活用を図ろうとするもの。木村代表幹事は主催者あいさつで「大きな被害が広がるなか、救済や補償の制度への理解を深め、社会的弱者のための運動をすすめていきたい」とのべました。
非正規労働者の権利実現全国会議の小野順子事務局次長はコロナの影響による解雇や雇い止め、休業補償、失業手当について報告し「一人では不安だという人は労働組合、弁護士にご相談を」と強調しました。
滞納処分対策全国会議の佐藤靖祥事務局長は、新型コロナに関係して国税や社会保険料、地方税の猶予を受けるための制度について「コロナの場合、特例として要件がかなり緩和されています」とのべました。
全国追い出し屋対策会議の増田尚代表幹事は住宅ローンの支払い猶予について「滞納が発生する前に金融機関に相談して条件変更することが大事。金融庁は金融機関に柔軟な対応を求めています」とのべました。
生活保護問題対策全国会議の小久保哲郎氏は「収入が減り、生活がままならなくなったという人に一番直接に対応できるのは生活保護です。国はいま自治体に対し迅速な対応を指示しています」とのべました。
会議では「感染症による健康上の被害だけでなく、社会的、経済的な被害を防止することは国と自治体の責務である」として、生活保護の積極的活用など10項目の緊急提言を関係機関に提出することを確認しました。
被害急増に注意を喚起
新ヤミ金「給料ファクタリング」
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東京ファクタリング被害対策弁護団の釜井英法弁護士は、サラリーマンや事業者に高金利で金を貸す新手のヤミ金融「給料ファクタリング」の被害急増を報告しました。
給料ファクタリングは「給料の前借りサービス」などとうたって、給料を受け取る権利(債権)の売買という形式を装い、利用者は給料日前に業者に手数料を払い現金化します。給料日後に額面通りの金額で債権を買い戻すことが求められ、実質的には金を借りているのと同じです。
年利換算で千%にのぼる高金利になり、家族や勤務先へのしつこい電話など暴力的な取り立てをします。東京地裁が違法とする判決を出したほか、金融庁も高金利処罰の規定が適用されるとしています。
釜井氏は、コロナによる収入減や支払い困難から給料ファクタリングを利用する危険性が高まっているとして「悪質ファクタリング業者は絶対に利用しない。返済に困ったら一人で悩まず、まずは相談を。必ず解決の道はあります」と呼びかけました。