2020年5月8日(金)
“支援策 とにかく遅い”
「宣言」1カ月 新宿の休業店は困惑
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発出から7日で1カ月たちました。宣言は今月末まで延長に。日本有数の繁華街、東京・新宿では、困惑の声が聞かれました。(和田育美、松沼環)
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新宿西口商店街(思い出横丁)では、商店街の振興組合が通りやトイレなど共用部分を一斉消毒していました。
「営業再開を希望する店舗もあるから、安心して入ってもらえるように」と焼き鳥店を営む男性(79)は言います。自身は休業中で、バイトで働く人に半分ほど給与を支払っています。
思い出横丁で71年続くうなぎ屋を経営する女性(58)は、宣言の延長を受け、4月7日からしていた休業を続けることにしました。5人のパートへの給与もあり、3月に融資の申請をしましたが、返事もまだだと嘆きます。政府の示す事業者などへの支援策については「とにかく決めるのも、出すのも時間がかかりすぎ。もう1、2カ月続くとうちもまずい。おばあちゃんが始めた店を途絶えさせたくはない」と訴えます。
新宿3丁目では、イタリアンダイニングの店が4月6~20日まで休業していました。営業再開後も売り上げは9割減。店員の男性(26)は「社員の給料も6割になっている。休業延長は国が補償してくれるならいいですけど、今は開けないと厳しい。いつも通りに早く戻ってほしい」と不安な面持ちです。7日から営業を再開したうなぎ店の店員(24)は「緊急事態宣言は延長されたけど、店は再開せざるを得ない」と話します。
歌舞伎町では、人通りがいつもより少ないものの、3、4人の若い女性が道行く人に声をかけています。
近くの薬局には1カ月前にも取材した店員(24)がいました。当時、客が最も求めるマスクが入荷しないと嘆いていました。その後、マスクが入荷し始めましたが、当初は客が店内に密集し「怖かった」と話します。需要が一巡すると客足はぱったり途絶えました。マスク以外はほとんど売れず、4月の売り上げは約8割減。ゴールデンウイーク中は、人通りが無くなりガラガラだったと言います。