2020年5月4日(月)
中高生の妊娠相談 3倍増
互いを思いやる交際に
神戸・小さないのちのドア
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一般社団法人小さないのちのドア(永原郁子代表理事)は、2018年に開設されました。思いがけない妊娠で誰にも相談できずに悩む女性を対象にした24時間対応の相談窓口です。神戸市のマナ助産院の一角にあります。2月末ごろから中高生など10代の妊娠相談が前年比で3倍に増えています。
相談に応じている施設長の西尾和子さんは「アルバイトがなくなって援助交際を」「外に行けないので家に入り浸っていて」の相談者の言葉から、「休校が続き、出口が見えない不安の中で、人のぬくもりや愛されているという承認欲求を求める傾向があるのかな」といいます。
「性行為は命を生み出す可能性のあることです。命が芽生えたときには責任を取ることが必要です。おとなは『避妊をしなさい』と言うだけでなく、お互いを大切にしあえる交際の仕方など、本質的なことをもっと語っていくことが必要です」
西尾さんは生きるための「性教育」の必要性を指摘します。マナ助産院では20年来、年間150カ所で性教育をしていますが、その活動も3月から途絶えています。
小さないのちのドアでは出産か中絶かの選択について、なぜその決断をするのかを中高生がしっかり考えて納得して前に進むように促しています。以前、ある中学生が出産後に特別養子縁組で赤ちゃんを託す決断をしました。「将来、赤ちゃんに胸を張って会えるようにこれから私頑張る」としっかり前を見つめて話しました。
「学校が休校のこの機会に、保護者には子どもと目と目を合わせて、性について話し合う時間をとってほしいと思います」(染矢ゆう子)