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2020年5月3日(日)

バス運転士 戦々恐々

心もとない感染防止策

残業減って、収入直撃

 外出自粛で出歩く人がまばらな中でも路線バスが走っています。市民の足を支える運転士たちは、新型コロナウイルスの感染が広がる中、戦々恐々としながらハンドルを握っています。(矢野昌弘)


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(写真)市街地を走る路線バス=2日、東京都内

 「当局の対応が遅くて、感染防止策は運転席にビニールシートを張ったりするぐらい。気休めのようで『明日はわが身か』と不安だ。バスは生活路線を走るので、買い物に行く人が多く乗る日中が一番、感染の危険を感じる。2週間でもバスを止めてもらいたいと思っている」

 そう話すのは、関東地方の公営路線バスのベテラン運転士です。

 政府の緊急事態宣言を受けて各地の路線バスでは、平日も土曜ダイヤでの運行に切り替えるなどして、減便を進めています。

 バス会社では、出勤時の検温や体調確認と、運転席の後ろの席に座れないようにするなどの対策をしていますが、運転士には心細いものです。

 東急バスの50代の運転士は「同業他社の運転士が感染したと聞くと不安になる。うちも4月末から減便になって、『これで大変な残業もなくなるか』と少し喜んでいたら、それでも多少の残業があるようだ」と話します。

 バス業界では運転士不足が深刻な問題となっています。これは安い給料と長時間労働が運転士の退職を招き、さらに少なくなった運転士に長時間残業と休日出勤を強いることになり、運転士のなり手が減るという悪循環によるものです。

 神奈川中央交通の50代の運転士は「これまで100時間の残業をしていた人が50時間に減った。10万円以上の減収で本当に痛いと思う。休日出勤もほとんどなくなったので、残業と休日出勤を当てに生活している運転士にはきつい。こんな働き方を運転士にさせ続けていいのか、考えるべき時だと思う」といいます。


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